「乙女ゲームの悪役令嬢/ヒロインに転生」ってあるけど、そもそも「転生した世界」と「乙女ゲームの世界」って同じなの?
アミ100
第1話
「乙女ゲームの悪役令嬢/ヒロインに転生!」という話は最近よく見るし、なんなら私もその題材で今小説を書いている。しかし、読んだり書いたりする時点である疑問にぶつかる。それは
そもそも「乙女ゲームの世界」って何?
ということである。「乙女ゲームの世界は乙女ゲームの世界でしょ」と思うかも知れないが、なんというか、もう少し細かいところが色々分からない。
乙女ゲームに限らず、ゲームや小説、マンガなどの世界観やキャラクターというのは、当然だが創作物である。そのためその中身は筆者の思考に依存するし、何より筆者が考えなかった部分は存在しないことになる。
しかしそうするとこの世界の説明がつかない。なぜなら筆者は「キャラクターの見た目・性格」「『○○王国』『○○学園』『○○騎士団』」などの '' 概要 '' は考えていても、「キャラクターが毎日いつどこで何をするか」「いつどのようなイベント・出来事が起こり、普段どのようなことをしているか」などの ''詳細'' は考えていないはずだからだ(そういうシーンが描写されていれば詳細もあるが)。
例えば、いわゆるモブは登場したとしても一瞬だ。なのに転生先の世界では彼らは毎日学校に通い、自分の意志で行動している。筆者がその一挙手一投足まで描写したり考えたりしていたはずがない。
要するに、この世界は何人かだけで考えるにはキャパオーバーだし、明らかに乙女ゲームの構想には無かったであろう部分が多く存在するのである。例えるならば、ファイルサイズ500KBの写真をクリックしたらファイルサイズが20MB (≒20000KB)はあるはずの8kの画像が出てくるようなものだ。
となれば有力となるのは
転生先の世界はたまたま乙女ゲームの世界に似ているだけの、全く別の世界である
もしくは
筆者はこの世界を知っていて、それを元に乙女ゲームを作った
この2つだ。だがこれも少々矛盾がある。
まず前者は乙女ゲームの世界と転生先の世界が似てるとかそういうレベルではない。攻略対象者にフォーカスして見ても、彼らの見た目・性格・行動の内容まで事細かに一致しており、大抵この似方は「たまたま」では済まされない。
後者は前者に比べると信憑性があるが、それはそれで筆者は何者でどちらの世界の人間なのかという話になるし、基本有名人揃い(王子とか宰相とか)の攻略対象者たちについて知っているのはともかく、一瞬でも出てくるモブについて(例えば召使いとか)も詳しく知っているのは不自然だ。
というわけで結局分からずじまいだが、まあ無理にはっきりさせようとするよりこういうことを色々考えながら読むのもまた一興かもしれない。
この文は私が連載中の作品「乙女ゲームのヒロインに転生、青春を謳歌してバトルして魔法について学ぼう」(URL: https://kakuyomu.jp/works/16816452220698822684 )
の「閑話休題︰そもそもこの世界は何?」を一般論っぽく改変したものです!もし良ければそちらも併せて読んでいただけると嬉しいです!(文の雰囲気も全体的にこんな感じです)
「乙女ゲームの悪役令嬢/ヒロインに転生」ってあるけど、そもそも「転生した世界」と「乙女ゲームの世界」って同じなの? アミ100 @yukiAmi100
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