第10話……エピソード4……バイキング伝説
1375年6月上旬日曜日朝7時……トプカピ宮殿
半年経過して内政の基礎も固まり、アドルフは退屈を持て余していた。
そこへノルウェー、スウェーデンの元軍政長官宋江が訪れてきた。色々興味のある話をアドルフにしてくれた。バイキングの話である。
宋江「ノルウェーなどの北欧の人々は、8世紀ごろから主にイギリスやフランス、バルト海などの沿岸で海賊行為を行うと同時に、貿易商人として活躍しました。交易の範囲は、遠く東ローマ帝国の首都、コンスタンチノープルにも及んだそうです。
彼らに対する呼称が
南下した一派が定着したフランス北部地域は「ノルマンディー」と呼ばれるようになりました。ここを本拠に11世紀にイギリスに攻め込み、イギリスにノルマン人の王朝が成立「ノルマン・コンクエスト」したこともあります。
バイキングの一部は大西洋を渡り、870年に北極圏の火山島、アイスランドに入植し、牧畜などを始めました。
彼らはスカンジナビアの本国との間を頻繁に航海していましたが、中には遭難するものもあり、そのうちの一隻がアイスランドから西に流され、氷河におおわれた大きな島を見つけました。
こうした中で、982年、「赤毛のエリック」という男が、放牧牛をめぐり隣人を殺害したため、罰として、3年間島から追放されると同時に、この未確認の島を調査するよう命じられました。
エリックは3年の探検の末、大きな島を見つけ、「グリーンランド」と名づけて帰島しました。
氷河に覆われ、冬季は極寒の地に「緑の土地」と名付けたのは、彼自らがグリーンランドの指導者となって新しい入植地を作ろうと考え、入植希望者を増やそうとするPR作戦だったそうです。
986年夏、最初の入植者が25隻の船に分乗し、グリーンランドに向かい、約半数の14隻だけが、厳しい航海を終えて無事に目的地に到達しました。グリーランド南端のフェアウェル岬に近いカシアルスーク(Qassiarsuk)を中心に、より北のヌーク「Nuuk:現在のグリーンランドの中心」にまで入植していました。
西暦1000年、エリックの長男のレイフ・エリクソンがノルウェーでキリスト教を学んで帰還し、グリーンランドに教会を建てた後、さらに南への探検に出発し、バフィン島を発見し「ヘルランド」と名づけた後、さらに別の陸地を見つけ「マークランド」【カナダ北東部・ラブラドル地方と推定される】と命名しました。
その後、エリクソンは再度南下して「ヴィンランド」を発見し、そこに前線基地を作った後、グリーンランドへと戻りました。
この「ヴィンランド」の前線基地跡は、カナダ・ニューファンドランド島の最北端にあり、バイキングの女性が使う糸車、鍛冶屋の跡「インディアンには製鉄技術がなかった」などが残されています」
アドルフ「俺に一緒に行こうと言うんだな」
宋江「そうです。ここで女たちに囲まれて暮らすのも良いですが、男として情けないと思いませんか?」
アドルフ「よし行こう。アドリアン様に相談してみよう」
早馬でアドリアンに連絡した。
すぐに返事が来た。
アドリアン「良く分かった。跡目はヘレネーの息子に継がせる。安心して行って来い」
アドルフはアネックとムジョルおよび林冲、武松、宋江の6名を中心に600名の工兵部隊を組んで出発した。
マークランドに到着したのはまる一年後であった。
1376年6月上旬日曜日朝7時……マークランド
ここはツンドラ地帯で高床式住居が必要である。幸いすぐ南の入り江は森林地帯であった。全員で必要なだけ木を切り倒し、木材を調達した。現地で全ての品物を調達しなければならない。
交易する対象はイヌイットしかいなかった。これは自給自足だけでも出来るようになるには10年は掛かるぞ。家を造りながら食料も確保せにゃならん。幸い船には10年分くらいの食料は積んできた。アザラシやセイウチを狩猟せんといかんな。
次回はイヌイットとの交易です。
イヌイットの生活は、ウィキペディアによると
★北極海沿岸の気候、イヌイットの生活
ベーリング海峡地域からアラスカ、カナダの北極海沿岸、ラブラドル、グリーンランドに広がるツンドラ地帯には、イヌイットと呼ばれる先住民族が暮らしています。
樹木が生育できる境界線である森林限界より北に位置するこの地域は、広大な永久凍土の広がる一年中寒冷な気候です。イヌイットは、世界で最も寒いところに住む人々といえます。
イヌイットが暮らす地域は氷と雪におおわれ、植物が育たず、農耕ができません。そのため、カヤックやイヌぞりを使い移動しながら魚やアザラシなどの海獣を捕って生活をします。
アザラシを捕るのは食べ物としてだけでなく、油を燃料に、毛皮は服や靴として使うためです。
またトナカイの遊牧も行い、その肉は石ランプの上の土鍋で煮るか、ナイフで細かく切って生で食べます。
植物性の食料は野イチゴなどに限られ、サケやマスなどの燻製(くんせい)やアザラシの脂肪などを保存食にしています。
★風や寒さを防ぐさまざまな工夫
イヌイットが暮らす寒冷地帯の冬は気温がー30~ー40℃に下がるときもあり、寒さの厳しい地域です。
雪を材料に建てられるイグルーは、そのような寒さにどのように対応しているのでしょうか。
まず風をよけるために、イグルーの入口の向きは、通路となるトンネルの軸をはずして少し曲げてつくります。
こうすることで、冷たい風や雪がまっすぐ部屋まで吹き込まないようにしています。
また寒さや湿気を防ぐため、内部の床や壁に動物の毛皮を敷いたり張ったりします。
天井の高さは、人間の背丈より少し高い2メートル程度。イグルーの中では基本的に座って過ごします。
部屋の中で煮炊きをし、一番奥のスペースには、寝台またはベンチとして一段高い床が設けられています。
★季節や地域によって異なる家
雪以外の建築材料が手に入る地域では、イグルーとは異なるさまざまな家がつくられます。
夏に住む家として一般的なのは天幕(テント)の家。
グリーンランド、ラブラドルからアラスカの広い範囲で見られるのは、水平の棟木を何本かの柱で支える棟形のテントです。
柱には木だけでなく、セイウチやアザラシなどの骨も使われています。
アラスカでは、これ以外に円すい形やドーム形のテントもつくられています。
ドーム形のテントの家は、柳の小枝を組み合わせてドームをつくり、その上を獣(けもの)の皮でおおいます。
グリーンランドには、イヌイットが冬に住む石造りの家があります。
屋根は芝土でおおわれ、数家族が共同で暮らせるように、大きく建てられています。
北西北極圏でよく見られるのは、しっかりとした木造の家。
木造の家には決まった形がなく、流木を積み重ねたさまざまな形の家がつくられています。
イヌイットの冬の家は、ベーリング海地域に分布する高床の陸屋根形式の家のように、技術的に洗練された家も少なくありません。
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