第26話
私的に興味をそそられたのは写真では無く、その下の数字列と短い一文。
『21°15'14.06"N 157°48'48.62"W』
『同志を募る』
これは、どこか土地の座標?
漫画とかでこう言う表記があるのを見たことある。
でも一ミリもどこのことかはわからない。
あとその下の『同志』って。
共産主義か。
「ね、キョーカ。その写真の人可愛いでしょ」
……やっぱり。
オリヴィアはにやにやとした嬉しそうな表情を浮かべながら私に話しかける。
「絶対偽物だよ? どうせ行っても誰もいないか、おっさんがいるだけだよ?」
「でも。万に一つその美女がいる可能性があるなら私はその可能性に賭けるね」
「いやそれドヤ顔で言うことじゃないし」
だめだこいつ。
「ちなみにキョーカ、その下の座標どこか分かった?」
「ううん、全然。逆に分かるの?」
「うん」
「だよね、分かるわけ--。ん?」
今なんて言った?
「『21°15'14.06"N 157°48'48.62"W』でしょ? そこあれだよ。ハワイのホノルルの近く」
「え、ハワイ? 遠くない? ていうか、え。なんで分かるの?」
ちょっと情報量が多すぎて脳の回線が渋滞してる。
え?え?
「もしかして、出発する時目的地聞いてもはぐらかされたけど、今もしかして
「あったりー。さすがキョーカ」
「はぁああ!? ちょっと待って意味不明すぎ!!!」
早速、二人旅は波乱の幕開けとなりそうだった。
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