電磁超越世界大戦-Solenoid World War-
富士蜜柑
第1章
第1話
「……ぇ」
ん?
「……ねぇ」
誰か私を呼んでる?
……気のせいか。そんなわけない。
「ねぇってば!」
突然身体を襲った激しい揺れに、私は思わずパッと目を開けて周囲を見渡す。
眼前には昼前の眩しい太陽と、面倒臭そうな表情を浮かべた同じクラスの森なんとかさんがいた。
「何?」
「何?って、瀬良さん。課題! 課題集めてるんだけど」
森なんとかさんは、大仰に手に持った課題の山を見せつけてくる。
「あぁ、そんなこと……」
私は鞄から森なんとかさんが御所望の課題を取り出して渡す。
森なんとかさんはまだ何か言いたげだったが、踵を返すとスタスタと私の前から離れていった。
「だから陰キャのとこ行きたくなかったぁ〜」
「あはは、サキの顔まじ傑作。瀬良なんか無視すれば良いのに〜」
敢えて私にも聴こえるような大声で、森なんとかさんとその友人Aは教室を出ていく。
「……帰ってゲームしよ」
途端学校が憂鬱に感じ、私は荷物を抱えて立ち上がると、誰かに声をかけられる前に教室を後にする。
「おい瀬良! 何処へ行くんだ!?」
「お腹痛いんで帰ります」
就業前に学校を出ようとする不良生徒を止めにかかる先生へ適当に返事をし、そそくさと私は学校を出た。
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