第十四話(翔太視点)

連投で気持ち悪い回です。

不快になるかもしれませんので、あらかじめご理解を。

 ───────────────────────


「ねぇ、後輩くん?」

「何ですか……うらら先輩……」


 私は笑顔で。


「今日限りでこの関係を終わろ……」



 今日は気分がいい。

 昨日、うらら先輩からの突如の一言でだ。

 まさか、解放されるなんて思っていなかった。

 ずっと、俺はこの先、うらら先輩の性奴隷になるのかと思っていた。

 これで俺は桜と本気で付き合える。

 いつか、耕平と仲直りがしたい。

 うらら先輩の裏の顔も伝えたい……でも、どうやって?

 どうすれば、伝えられる?

 それでも、これでやっとなんだ……。


 ただ、その気持ちだけで心が埋め尽くされそうだ。


 

 放課後。


「今日、桜機嫌がいいな!!」

「そう? だって、私の目には翔太しか写ってないもん」

 

 俺と桜は手を繋ぎながら下校をしている。

 

「そうか、ありがとよ!! 俺も桜しか──」

「ねぇ、今日、うち来れる?」


 俺を無表情でじっと見る桜。

 少し、奇妙だった。

 まるで、ほんとに俺しか見えていない。

 そんな目だった。


「あ、ああ……」

「やったぁ、これで翔太とできる」


 そうニコッと言う桜。


 俺は足を止めた。


「翔太?」


 突如、吐き気が襲う。


「うっ──」


 俺はその場で両膝をつけて、地面に手をつけ、勢いよく嘔吐。


 なんなんだ……。


 気持ち悪かった。

 それは紛れもなく、桜のせいで。

 俺が桜をこうしてしまったのかという罪悪感のせいで。

 前の桜とは違く、積極的になっていた。


 すると、桜は俺の隣にしゃがみ……。


「え……」


 俺の吐いたゲロを舐め始める。


「うっ──」


 更に俺は思う一度、嘔吐する。


 俺は桜を止めた。


「なぁ……桜……」


 そう震える声。


 怖かった。


 桜は俺の方を向き。


「私……翔太が好き……」

「ああ、知ってるよ……」

「だから、翔太のゲロも好き、好き、好き、好き……」


 そして、桜は大きな声で。


「翔太の全てが大好き!!」


 なんなんだよ……。

 

 言葉にできないほど、胸が痛い。

 俺がこうしてしまったのだと、俺があの時、無理矢理ヤって桜を壊してしまったのだと。


「なぁ……さ……くら?」

「実はね、今日もずっーと、翔太とエッチすることだけ考えたんだ〜。早くしようよ、前みたいに一方的でもいいからさ、私の心を満たしてよ」


 あの時もそうだった。

 もしかしたら、もう落ち着いていると思った。

 でも、そんなことはなく、前よりも悪化していた。

 俺が悪い。


 頭が真っ白になった。


 ただ、虚な目をして涙を流していた。


 すると、桜は俺に抱きつき。


「周りに見られるしさ、とりあえず、私の家行こ、ダーリン❤️」



 気づけば、桜の家に来ていた。


「翔太ぁ? 今日は翔太が気が済むまで何回でもいいよ♪ 精力剤なら、たくさんあるしね♪」


 ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。

 こんなの、俺の望んでたことじゃない……。


 そして、桜は制服を脱ぎ……。


「早くしよ……」


 その後は俺は熱くキスを交わしながらした。


 何回ヤっても俺は止まらなかった。

 してもしてもしてもしてもしてもしてもしてもしてもしても、どんなにしても、俺の心は満たされなかった。


 気づけば涙が出ていた。


 それは、桜を壊してしまったことだけではなく、多分、うらら先輩が恋しいからだ。


 毎日していた。

 一日も欠かさずだ。

 

 あれ……うらら先輩と一日しないだけで、何かが満たされない。


 あれ……俺は桜の何が好きだったんだっけ……?

 

 何もかもわからなくなった、頭の中にはただうらら先輩のことだけを考えていた。


 そのまま、俺は、学校を休んで桜とした。


 時に寝て、時に桜と口移しでご飯を食べた。


 でも、結局は頭の中はうらら先輩だった。


 そして、俺はわかった。


 うらら先輩の身体になっていることを。

 うらら先輩しか愛せないことを──。



 私はLINEを見る。


『うらら先輩……今日、まだ親が帰ってきてませんしうち来てもらえますか?』


 その一言を見て、私はニヤリとした。


 早いなぁ……もうかぁ……。


『うんわかった♪』


 これで、完全に後輩くんは私のものだね。






 









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る