オールナイト異世界

OOP(場違い)

2021/07/06 転生魔王ディルク・ダーンハインドのオールナイト異世界

 転生魔王の、オールナイト異世界!


 (いつものあの音楽)


 時刻は午前96125886542887時を回りました、黒魔道士と白魔道士のお二人お疲れ様でした。ここからは我、転生魔王ディルク・ダーンハインドがパーソナリティの、『転生魔王ディルク・ダーンハインドのオールナイト異世界』をお届けしますー。


 いやー……長いよね(笑)

 これ毎週言ってるけど長いよねぇ? いや、オールナイト異世界の他のパーソナリティさんはさ、だいたい『勇者テンカの〜』とか『白黒魔道士の〜』とかで済むわけじゃん。

 なんで我だけ役職名プラスフルネームなの!? って。いっつも思うんですよね(笑)

 いやだってほら、先週? だっけ? スペシャルウィークあったじゃん。スペシャルウィークの時は毎回ね、局の壁にポスターが貼り出されるのよ。この日のこの時間は、これこれこういう番組でこんなゲストが来て、こんな内容の放送をしますよーみたいなのが貼り出されるわけ。

 あれ、我のとこだけエグいくらい字ぃちっちゃいの!(笑) ツメツメにしなきゃ入んないから! 食品の成分表示かよって!

 やーもうホント、改題したいよね。あのポスター見て高橋さんキレてたもん。高橋さんっていう、まぁベテランの作家さんなんだけど。老眼にはこんなちっちぇー字読めねーよって。もう舌打ちまでしてたからね。我全然悪くないのになんか申し訳なくなっちゃったもん。ごめんなさいねホントね。


 でも思うんだけどさ、何回かラジオで言ったことあると思うんだけど、我、転生する前は鈴木貞夫って名前だったわけじゃん。

 そっちじゃダメなの? ねぇ。あ、ダメ。ダメらしいです。ブースの外でね、滝原くんがめちゃくちゃいい笑顔でバツ作ってます。はい。

 いいと思うんだけどね。鈴木貞夫のオールナイト異世界。他の方々がみんな勇者とか魔道士とか名乗ってる中、鈴木貞夫。逆に目を引くと思うんだよね。


 まぁ毎週毎週こうタイトルいじりしてると飽きられちゃうでしょうから。そろそろ別の話題に行ってみようかなと思うんですけども。


 なんだっけ、最近、人の世では『追放もの』? が流行ってるんだっけ?

 我もちょうど先週くらいにね。あのー、破壊神さんと、『異世界ナイトスクープ』のロケの移動中のバスで一緒だったんだけど。

 「魔王くんこれ読んでる? 面白いよー」つってマンガをね、勧められたんですよ。タイトルなんだったっけな、えーと。あのー、何? なんか、ビーストテイマーが勇者パーティからクビにされるーみたいなやつ。

 んで、まぁ……もう、この時点で我、内心もう最悪だーってなってるの。なんでかって、破壊神さんが勧めてくれるやつって大体ハズレなわけ(笑)

 あはははは、いやいやマジマジ! もうこれに関してはホントの事なんだから仕方ないもん!

 ブースの外で滝原くんがすごい心配そうな顔でバツ作ってますけどもね。いやいや、これくらいであの人怒んないから。


 でもホント、あれなんですよ。破壊神さんマジでやばくて。あのー、異世界ッターで一時期流行ったけど、商魂の凄まじさがエグすぎて世間から大バッシング受けた作品あるじゃないですか。なんだったっけ。

 あー思い出した、『100日後に車に轢かれて死んだワニが異世界転生したらチート能力を授かってハーレム生活スタートしちゃった件について』。そうそう、100転ね、100転。

 あの人、あれの絵本持ってますからね!(笑) やばくないですか!? 発売日当日に買って一気読みして泣いたとか言ってて! 正直もうドンッ引きですよ!! あれで泣けるならもう久しぶりに虹見たとかで泣けるでしょ!


 で、そんな人が! そんなクソヤバいセンスゼロ神が! 読め読めって勧めてくるわけですよ、その追放もののマンガをね。もうパワハラですよこれは。

 でもまぁ長い付き合いだし。お世話になってないわけでもないし。何より押し付けられたし。貴重な時間をドブに捨てる覚悟でいちおう読んでみたんですよ。

 この話の流れで言っても信じてもらえないと思うんですけど、これがね、すごい面白くて!

 貸してもらったのは1巻だけだったんですけど、我すぐに2巻以降を異世界ゾンでポチっちゃって。

 やっぱアレだよね、「自分は低く評価されがちだけど、実はこんな秘めた力が!」みたいなやつは、王道で面白いよね。奇を衒った作品もまぁ好きなんだけどさ、最近はもう、今まで無いものを今まで無いものをってやりすぎて、どんどん先鋭化しちゃってるから。王道で分かりやすいカタルシスのある作品ってのはやっぱ読みやすいし万人受けするよね。


 うん。

 まぁ全部嘘なんだけどね。


 いっっっっちページも読んでない。ごめんね。

 いやマジでこれは言い訳させてほしい。俺もうその作品の表紙見るだけでも嫌なの。タイトルうろ覚えだけど、勇者パーティにクビにされたビーストテイマーが〜みたいなこと書いてるわけ。


 本っ当に申し訳ないんだけど、我、魔王じゃん。

 そりゃ、我の配下のサラリー魔族とかの層には刺さるかもしれませんよ。

 実際我もね、毎年面接には時間割いて絶対顔出してるとはいえ、魔王軍に所属してる魔族一人一人の能力なんていちいち把握してないわけ。人事に丸投げ。ちゃんと能力を正当に評価してあげれてる魔族なんて多分1割以下とかですよ。

 我どっちかっていうと主人公の能力を過小評価してリストラする勇者サイドの人なわけ! いやなんかこの言い方ややこしいな、我魔王なんだけどね? あの、作中の立ち位置的にって話ね?

 そんなヤツにこんなもん勧めんな! 聞いてますか破壊神さん! いやもうさん付けやめるわ今日限りで、コラボケ聞いてんのか破壊神!


 人事異動の時期とか繁忙期とか、嫌でも配下からの愚痴とか不満が耳に入るの! お前はたまにテレビ出る以外全然働いてないクソニートだからこの感覚分かんないだろうけど!

 「クビ切られた社員が実は有能でした」とか「クビ切った側の上司たちはその後痛い目にあってその社員の有能さに気付きます」みたいな話、わざわざ創作の中で聞きたくなんかないんですよ! 日々それにちょっとずつ怯えて暮らしてるんだから!


 というわけでね、もう追放ものの話は終わり! 終わりです、終わり終わり! こんなトークテーマもう二度と用意しないでください! 誰ですかこれ用意したの! 滝原くん!?

 滝原くんじゃないらしいです。めっちゃ爆笑しながら手でバツ作ってますよ。何わろてんねん。

 はい、もうメールとかもいいですからね。追放ものに関するお便りとかも送ってこないでください。もう全部破り捨てますから。それ以外の番組への感想などのお便りはじゃんじゃん受け付けてまーす。宛先は『mao@isekai.net』です。


 それでは一旦CMでーす。

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