第40話 ジェットコースター
ジェットコースターに向かってから……数十分後。
「……古市?大丈夫か?」
「……うー、無理無理ー。もう帰るー」
「いやいや、終わったから」
「大丈夫……?古市さん」
ジェットコースター終了後。
古市ベンチに座りダウン中。というか。幼児化した気がする。
ちなみにジェットコースターは先頭に乗りたいと言っている子供と親が俺たちの後ろに居たため。たまたま先頭が俺たちになったので吉野の横にその俺たちの後ろに居た子供を。その後ろの席に俺と古市。で子供の親が俺たちの後ろに乗ったのだが……うん。俺は隣のやつの面倒を見るので大変だった。
「葛先輩、葛先輩、お、落ちないですよね?」
「まあ、落ちるというか。レールの上は走るかと」
「落ちるの無理ー。やっぱ無理―」
「古市まだ上ってるだけだって、っか、だから無理して乗るなと」
「ダメダメー。もう何も見れません」
スタートしてすぐ。古市は騒いでいた。そしてしっかりと俺の腕を掴んでいた。馬鹿みたいな力で。ホントすごい力だった。
ちなみに前の方からは楽しそうな子供の声と……。後ろでは夫婦の話声がしていたのだが……うん。真ん中のところで1人大絶叫でした。
現在のことを言うと、まだ古市の爪痕が腕に残っているんだが……おかしいな?俺は長袖のシャツ着ていたんだが……シャツの上からでもしっかり痕が残っているんだ……どんだけ力強いんだよ。である。
ちなみに、頂上からビューになると。
「やっほー!」
と、いう吉野の声と子供の声が聞こえたと思ったら……って吉野めっちゃ楽しんでいた様子。終わった後もちょっと照れつつ。親子と話していたからな。まあ親の方が隣に子供を座らせてくれた吉野に感謝していたというか。お礼を言っていた。って感じか。
そして……あの時真ん中の席では――。
「いゃあああ!!帰るー。ごめんなさーーい!!—―—―!?!?!?」
と、いう声が聞こえてきた。後半はもう何を言っているかわからなかったな。うん。
ちなみに俺は――。
「痛い、痛いから!古市!腕がもげるわ!痛いから!マジで痛いから!」
だったかと思う。マジで痛かった。だから今も跡が残ってるんだよな。うん。
という3人バラバラだったが……まあ大騒ぎは変わりなく。なんとか帰ってきたが。古市は終わってからもパニック。
ずっと俺の腕に爪が刺さってるし。地味に傷跡に刺さっていたんだが。まあ今はいいか。
で、やっとベンチにまでやってきた。これが今である。
「あっ、先輩。私飲み物買ってくる。待ってて」
「ああ頼む」
と、吉野が自販機を探しに行った。
「古市。生きてるか?」
「……嫌だ……死にました。無理です。二度と乗りません」
「無理して乗るから」
「うー……なんか恥ずかしい事叫んだ気がします」
「……」
古市は完全にブルーというか。いろいろ壊れた感じになっているが……大丈夫だろうか。まあいろいろ叫んでたぞ?これ以上いじめる気はないから言わないが――。
すると。
「おー、久遠じゃん。楓華もって、楓華は……どうした?顔色悪くないか?」
偶然何人かのお友達を連れて讃大がやってきた。いやー、生徒会長様は本当大変っか周りに人が多いですね。本当。
「ああ、讃大か。いや、苦手を克服しようとしただけだよ」
「うん?なんか……めっちゃ体調悪そうだが?」
「まあ、讃大が原因かもな」
いや、これに関してはないかと思ったが……。
「また俺?」
「……かもです」
とか、まあ古市も言っていた。って言いだしたの俺だが……まあ今回は讃大関係ないな。すると――。
「飲み物買ってきました。あっ、福神先輩」
吉野が戻ってきた。
「吉野さんも居たか。って同じ班とか言ってたな」
「言っただろ。2人後輩がって」
「思い出した。思い出した」
「にしてもそちらは多いな」
「まあな。気が付いたら10個くらい班がくっついた感じになっちまったからなー」
「……予想通りか」
うん。やっぱり何をし手も人気者の周りはえらいこととなっていた。
「あ、古市さん水とお茶どっちがいい?」
「あ、ありがとう。水かな」
と、隣では古市が吉野から水をもらい一口。
そして少し話していた讃大は同じ班の方々がたくさん居るからか。長居は出来ず出発していった。
「ふー。落ち着いてきました」
「古市大丈夫か?」
「あ、はい。生き返りました」
「大絶叫してたからな」
「なんか、手も疲れました」
「それは人の腕を掴んでいたからだ」
「えっ?」
「腕……」
うん。なんか2人から腕に視線が……って、吉野はなんだよ。
まあ結局ジェットコースターに乗りそのあとは休憩でテーマパークは終了となった。
俺たちは集合時間前にはちゃんとはじめの集合場所に戻り。クラスごとにバスへと乗った。
「先輩また後で」
「ああ」
「葛先輩。さっきはごめんなさい。いろいろ騒いでしまって……」
「いや、大丈夫だ。気にするな」
バスへ乗る前に古市、吉野とは別れ。クラスのバスに乗ると讃大が隣にやってきた。うん。俺の横は空いていたからな。
「人気者さん再登場か」
「いや、人数多いとな。大変だわ」
「来年からは普通の行事にしてほしいわ」
「けど、なんやかんやで評判はよかったぞ?」
「だろな。フリーだからな。この後が大変だと思うがな」
この後はホテル。
さてさてどうなることかとである。
生徒が揃うと先生が確認のちバスはホテルに向けて出発した。
そして半時間もしないうちにバスはホテルに到着。ぱっと見はビジネスホテルというか。まあ普通のホテルだった。
俺たちはホテル前の駐車場で一度集められたのち。各階ごとに中へと入っていった。
ちなみに俺たちは8階だったため。ほぼ最上階。なんか最上階は大浴場?らしくてな。まあ客室としては最上階らしい。なので1番最後まで駐車場に居た。ちょっと暇な時間が長かったな。
途中生徒が減ってくると。各学年ミックスなためか同じ部屋の人同士が勝手に集まりだして……。
もちろん俺の班員も多分暇になったのか。人が少なくなってきたから動いていいと思ったのか。
「先輩」
「葛先輩発見です」
吉野と古市も俺のところへと移動してきた。
「こっち来てもまだ入れないぞ?」
2人がやって来ると。残っている周りの生徒からまたあのメンバーだよ。みたいな雰囲気で見られているような……って、後輩2人が目立つからな。オバケに副会長だし。目立たない方が無理か。嫌でも注目される俺たちだった。
「にしても、普通に綺麗なホテルですね」
「だな。それにはちょっとびっくりだわ」
「ボロっちいとか勝手に思ってました」
とか古市と話していると。やっと最上階メンバーが呼ばれた。そして中に入っていくと……。
「……普通のホテル」
うん。吉野が言うようにホント普通のホテルだった。ロビーはだだっ広いとかではないが。普通に綺麗だし壁やらもオシャレだし。なかなかいいところだった。
「食事は1階で」
「お風呂は大浴場なら最上階。部屋でもいいみたい」
「自販機とかは各階にあって――」
「あっ、それは助かるかも」
ホテルの中に入ると先生が館内の案内をしていた。俺の前では吉野と古市が地図を見ながら再度確認をしていた。
そしてその後エレベーターで一気に8階まで上がったのだった。
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