第39話 テーマパーク
ってことで。
あっという間に時間は流れて遠足当日となった。
ちなみにすでにテーマパークの駐車場まで俺たちはバスで来ており。今はクラスで分かれており最後の事務連絡?的な時間だった。この後すぐに班になり。明日の集合までその班でほぼ行動。あっ、ホテルはな。3人部屋だから班の人数が多いところは夜だけまた別の班があるらしい。あと移動もまたクラス単位か。とまあいろいろ大変だな。ホントこんな面倒なことにするから。
まあ俺は関係ないがな行動はよく知った2人とだけだし。
……後輩2人しかいないから。ぴったり3人。っかホント男女ミックスとかいいのだろうか……トラブルしか予想できないんだが――。
とか思っていたら先生の話が終わり解散。
自由行動となった。早速テーマパークに突撃していく学生がかなり多かったが。まあそりゃ早く行かないと回れないからな。が、俺はまだ動いていない。いや班員が揃ってないからな。
すると――。
「先輩」
「よっ、吉野。古市はどうした?」
「先生に呼ばれてました」
「あー、生徒会だろな。まあちょっと待つか」
「はい」
「っか、髪結べよ。ホラーじゃないかよ。昨日言ったじゃん。結べ。って。テーマ―パークは子供も居るからって」
「……」
髪に関してになるとすぐ無視する後輩だった。
「無視するなよ」
「……だって、視線が」
「オバケのままのほうが視線はあるからな?」
「また。言った!」
「はいはい」
「むー」
「結んでやろうか?か、それとも切ろうか?」
「先輩!なんでそんなに切ろうとするんですかー。変態」
吉野がちょっとキレたが。まあ大丈夫だろう。
「先輩にはバリカン持ってきますよ」
「それはいらないな」
「なら私にも無しです」
うん。髪は命らしい。まあバリカンはいらんな。うん。
「っかさ。いやマジでさ。子供が泣いたらどうするんだ?」
「う、うーん」
「はあ、なんでそんなに頑固なのか……」
少しそんな話をして待っていると古市がやってきた。
「おまたせしました!葛先輩、夜空ちゃん」
「おつ」
「大丈夫」
「先生の話が長くて」
「大変だな」
「ほんとです。羽目を外さないように。生徒会でも監視やらやらって無理ですよね」
「ま、まあ、テーマパーク広いしな」
「だから、私たちも普通に楽しみましょう」
「……私テーマパーク初めて」
「えっ?夜空ちゃん初めてなの?じゃ、隅々まで案内するからね」
「え、えー」
後輩2人は元気みたいです。
吉野が古市に引っ張られていく。まあ俺もとりあえず付いていくか。遅れると怒られるからな。
それからまずアトラクションに乗りまくる。
古市は吉野が初めてということで空いていればそこに。という感じでどんどん乗っていく。
ちなみに俺は気がついたら2人の荷物持ちをしながら付き添い?している感じになっていた。まあなんやかんやで楽しませてもらっているが、、、。
にしても元気だね。前の2人。いや、訂正。
「古市さん……タイム」
いや、行きましょう言われたが……実は俺も初めて。で、スタートからなかなかのハイスピードでいろいろ乗ったので確かに疲れてきていた。と、いうのもあるので……。
「古市。1回休まないか?」
「あー、確かに飛ばしましたからね」
「ホント連続だったからな」
「……先輩。カバンから飲み物取ってください」
「吉野はもう体力0じゃないかよ。ヘロヘロじゃん」
俺の前にはヘロヘロの吉野が居た。さすがに動いて暑かったのか。いつの間にかちゃんと髪結んでるし。
「だって……初めてなのに……このスピード……しんどい」
「まあ吉野がボロボロだから……古市。昼を混む前になんか食べないか?」
「あっ。いいですね。そうしましょうか」
「私はとにかく……休みたい」
「夜空ちゃんまだまだこれからだよ?」
「……」
と、いうことで俺たち3人はぶらぶらテーマパーク内を歩き比較的空いていたお店に入った。にしてもまあ、テーマパークの中のお店ってなんでも高いよなー、まあ、仕方ないか。
ちなみに夜はホテルでバイキングらしいので、まあ昼は軽めでも大丈夫だろう。ってことで。
「あっ、可愛い」
「うんうん、これにしようか」
女子2人はテーマパークのキャラクターが描かれた。というか。焼き目か。まあ焼き目の押されたホットケーキを食べていた。
俺は安いからの理由でホットドッグを……って、高くて小さいだろうとか思っていたら……デカかった。
ちなみに女子2人の方もそこそこな量だったので……あれ?もしかしてお得だった?とか思っている俺だった。いやテーマパーク内の相場とかね。勝手に高い思っていたが。普通みたいです。はい。まあ場所にもよると思うが……。
で、昼休憩のち。そのあとしばらくはお土産のところを見てまわっていた。さすがに食べてすぐにアトラクションは……だったのでね。休憩だ休憩。なので少しお土産を見てからはまたアトラクション巡りとなった。
お昼からもどんどんアトラクションに連れて行かれる俺と吉野。まあ吉野はなんやかんやで慣れて来たのか。次第に楽しくなってきたのか午後は元気だった。俺の方が……疲れてきた。うん。
そしてテーマパークの時間も1時間ほどになったのだが……ここでふと気がついた。
いろいろなアトラクションに古市が連れて行ってくれるが……テーマパークの名物みたいなジェットコースターには向かう気配がない。まあ混んでいるかもだが……ジェットコースターは種類がたくさんあり……先程通過したところは待ち時間10分だった。あれ?と、思っていると。
「古市さん。古市さん」
「うん?」
「あの……私ジェットコースター大丈夫だよ?初めてって言ったから避けてくれてるみたいだけど……」
「……」
吉野も気がついた様子。って――古市が固まった?
「あ、そ、そうだったんだ。ごめんごめん。でも、今なら乗れるやつあるかな?人気だからね。あっ、次乗るつもりだった。船のなら多分混んでないと思うから……」
「古市?」
「え、あ、はい?なんですか。葛先輩」
「古市。ジェットコースター苦手だったんだな」
「……なっ、そ、そんなことないですよ」
珍しい。古市がちょっとあたふたしている。すると吉野が――。
「古市さん。最後ジェットコースターに乗ろっ」
「なっ」
うわー。吉野は気がついてないのか。いや、今俺が言ったし……ワザと?かもしれないが……古市がまた固まったよ。まあレアな光景だな。ちょっといつもの立場が逆転というか。吉野が古市を引っぱる構図となった。
「さっきのところ空いてたよ?」
「あ……あ――」
なんかさっきまでは古市がずっと引っ張っていたが。急に吉野が引っ張って行く立場に……って、吉野はやっぱり楽しくなってきた?様子だ。いい笑顔だし。やっぱり顔が見える方がいい。うん。間違いない。っか。吉野は……テーマパークにハマったか。とか思いつつ。俺はもう1人の方を見てみると……。
「く、葛先輩。あれ駄目です。ここで一番やばいやつです……助けて――」
なぜか小声で俺にヘルプをしてきた。
「俺も一応……ジェットコースターは大丈夫だぞ?」
「……」
すると一筋の涙が見えた気がする。あっ、いや、古市の身体の中でね。もちろん今は完全に嘘でしょ。先輩。嘘って言ってー、見たいな表情なんだが……多分身体の中で泣いている。
「あれ、古市さんもしかして……ジェットコースター……」
「……あ、あれは、ね――」
すると俺と古市がこそこそ話していたからか吉野もやっとちゃんと理解したみたいで……。
「じゃ……先輩。2人で乗りにいきませんか?私どんなのかせっかくなので1度乗ってみたいです。古市さんには待っていてもらうことになっちゃうけど……」
「……お、おお」
オバケちゃん目が輝いていた。やっぱりテーマパーク楽しんでるわ。とか思っていると……。
「な、なら……私も乗る」
急に古市が乗る宣言をしたのだが――。
いやいやその表情からしてやめておいた方が――。
「いやいや、古市。無理しなくていいぞ?」
「……大丈夫です。乗ります」
まあ結局……吉野先頭で3人でジェットコースターに向かったのだが――。
30分後……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます