俺のお宝が異世界の敵を強くした⁉︎ならばそれを取り戻すまで

尾単 小茄子

 プロローグ 

 ある町のコンビニから、1人の少年が退店した。その少年が買ったと思われる商品の中には『今夜は特別に♡』という文字が表紙になっているいかがわしい本があった。

 

 「つ、ついに買ってしまったぞ!今月発売の新シリーズエロ本!これは読みながら帰るかしかない!」


 少年は鼻をヒクヒクさせながら、夢中でその本を読みながら歩く。


 「ふっ、読みながら歩けるようにと作ったエロ本サイズのブックカバー、我ながらいい出来だぜ」


 そう、少年は変態なのである。毎月エロ本を買っては読むという生活をしている異常な高校2年生だ。だが、今日はいつもと違って読みながら帰っている。

 

 「うひょー!たまらねぇ。早く家帰りてぇなぁ。」


 しばらく歩いた少年は、交差点へとたどり着く。そこには横断歩道があり、歩行者信号は赤く光っている。

 しかし、少年はエロ本に夢中で歩行者信号が目に入っておらず、そのまま横断歩道歩道を渡る。

 そして、


 「——はっ⁉︎」


 少年は車にはねられ即死した。実に哀れな最後だった。マヌケだった。変態だった。自業自得だった。


 

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