消滅した町 §5 大都市にて
よう!俺だよ俺!
ジョナサン・ティンカーフッドだぜ!
ヒト族の都市マルサルドール市を拠点に冒険者稼業に勤しんでる。
「それでお前は何でついて来てるの?」
このヒト族の兄さんは、サラディオール・なんとかかんとかって長い名前の御仁だ。凄腕のレンジャーだぞ。
「何でだよう!一緒に猫探しした仲じゃないか!俺にも一枚噛ませてくれよ!」
サラディオールの兄さんたちが、金払いの良さげな依頼人と共に、都市遺跡の調査に出向くと聞いた。
ベテランの冒険者チーム『暁の雷鳴』も参加するらしい。
「依頼人次第だな」
「やったぜ!」
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「ねえねえ、この子はだあれ?」
エレンディエルは不思議がっていた。
「勝手について来た知り合いだ」
とサラディオール。
え?ちゃんと紹介してくれよ。
「ジョナサン・ティンカーフッドです。冒険者稼業ではスカウトをやっていますので、どうか私めも一行に加えてもらえないでしょうか?」
「うん、サラディエル君の知り合いなら、いいわよー」
お!やった!
「ありがとうございます」
「じゃあお主はこっち側チームじゃな」
とドトンタの爺ちゃん。
「よろしくお願いします!」
「こっち側チームで本当にいいのか?」
とサラディオールの兄さん。
そんなに嫌がるなよ。『暁の雷鳴』も強いが、こっちは更に強そうじゃないか。少しでも生存率高い方について来たいんだ。分かってくれよ。
「もちろんだぜ!」
「無報酬のボランティアチームに入るとはなかなか奇特な御仁じゃ!気に入ったぞ!」
とウォルフガング。
え?ちょっと待って?無報酬?ボランティア?
「ちょ…まっ…」
「我々、『荒野の羊飼い』は、基本、無報酬で動く。依頼であれば、また別なのじゃがな」
とウォルフガング。
「勿論、必要な物資は供給する。宝物を得た場合も、定石通り分配するが、今回の目的は宝物では無い」
とドトンタ翁。
「まあそういうことだ。よろしくな」
とサラディオール。
言葉足らなくね?兄さんよう。
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