番外編(黒歴史)

冒険者ギルドの受付さん(ドラフト版)(その1)

 はいはーい!

 わたしです。わたし。


 冒険者ギルドの受付さんですよー。


 みなさん、はじめまして!

 名前はソフィア・リンデル・フェレンディルと申します。

 こう見えても、貧乏貴族の三女という設定なんですよ。

 いろいろ設定盛られてるんですが、今日はこれぐらいで。


 よろしくね!


 そんなわたしにカウンターのこちら側から声がかかります。


「ソフィアちゃん。ぼーっとしてどったの?」


 顔に刀傷のあるゴツめのおじ様は、ガランディール・サラマットさん。


 こう見えてもれっきとした冒険者ギルドの受付さんです。


 以前、他所の小さな町でギルド長兼受付さんをしてたという設定のナイスミドルです。


 セクハラ男をねじ伏せてくれます。

 受付女子の心強い味方です。

 因みに妻子持ちですよ。


「何でもないですよー。ちょっと考え事してただけですから」


 にっこりと微笑むわたし。


「あ、そうなの」


 受付さんはあと三人ほど設定されていますが、今回は一人しか出て来ません。


 短編ですから!


 そんなこんなでお客さまぼうけんしゃご一行がいらっしゃいましたよ。


 連載になったら名前がつく予定のモブベテランの皆さまです。

 モブと言っても、お強いですから。


 と思いきや、ガランディールさんの方に行っちゃいました……


 あれ?

 わたし、主人公でヒロインのポジションなのに…


 モブとか言ってごめんなさい!


 気を取り直して、次のお客さまぼうけんしゃがいらっしゃいましたよ。


 こっちこい!こっちこい!


「こんにちわ。今日は依頼を出しに来たんだが…」


 この人はサラディオールさん。

 凄腕さんです。

 貧乏貴族の三男坊という設定のレンジャーさん。


 あれ?キャラが被ってます?


「ごきげんよう。サラディオールさん。お久しぶりですねー」


「ソフィアさんもお元気そうで何よりです」


「はぁい、とっても!それでご依頼というと、どの様な案件で?」


「人手が足りない。戦闘が出来る5〜6人ほどのパーティーが欲しい。」


「ふむふむ」


「ウンブラ州にある都市遺跡の調査なのだが、期間は1ヶ月以上になると思う」


「ご予算の方は?」


「こちらの直接の依頼人からこれを預かっている」


 直接の依頼人というのは、ギルドを介さずに依頼を受けることがあるんです。

 ベテランさん以上になると、信用が出て来ますからね。


「これなんだが」


 綺麗に飾られた宝飾箱です。

 中には、高価そうな装飾品や宝石類が。


「それとこちらが依頼人からの委任状。それにこちらがお宝の鑑定書」


 さすが凄腕さん!助かるー。

 駆け出しさんだと上手く回らない事あるんですよ。

 特に書類関係。


 事務的に書類に目を通します。


 名称未定で商家の生まれ設定持ちの同僚の受付さんが、念のため鑑定します。


 気前いい依頼人さんですねー。

 全部本物!

 お釣りもきちゃいそうですね。


 そんなこんなで、先程わたしをスルーしたベテランパーティーが引き受けてくれそうな感じです。


 よかったですねー。

 とんとん拍子です。


 でも、いつもこんなにスムーズに進むとは限りません。


 特に駆け出しさん。

 怖いです。

 やらかします。


 物語的には、やらかしてくれた方がよく回るのですけど…


 次回は、襲来!恐怖と悲哀の初心者さん!


 よろしくね!

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