ある少年の軌跡〜サッカー界の悪魔〜

@konno0523

プロローグ 〜始まりの日〜

日本時間未明。あるスタジアムで非公式試合が行われようとしていた。


観客・メディア・記者は一切入れず、協会関係者とクラブチームの監督だけがスタジアムにいた。


そのある一室で


「なぜこのような試合を?」


ある女が尋ねた。


「試したいことがあるのですよ。我々のがどこまで通用するのか」


「最高傑作?・・・・ってまさか!研究室は健在だったのですか!?」


男はその問いには答えず部屋を出ていった。


「研究は続いていたのか・・・・。だがようやく尻尾を掴んだぞ」


そう言うと女は、携帯を手に取った。


そして90分後〜

1点差で勝敗はついたが、一目見ただけではどちらが勝ったのかわからなかった。

ピッチには、22人。そのうちキーパーを除いた20人のうち19人が立ち上がれずにいた。ピッチ上で立っているのは、ただ一人の少年。

あるものは羨望の眼差しを、またあるものは恐怖に似た感情を抱いていた。

少年は、ただひたすらに無表情だった。まるでそれが当たり前であるかのように。


「いや〜、素晴らしい!!」


「そうですな!まさかここまでの出来だったとはっ」


男たちは、まるで自分たちの手柄のように喜び合った。


「研究を始めたときは半信半疑でしたがここまでとなると本物ですな」


「ああ、データは集まった。あれだけの少年バケモノを量産できれば・・・」


更なる実験を示唆したその時、突然大勢の男たちが入ってきた


「公安だ!」


「「なっ!」」


男たちはすぐさま拘束された。


「あの少年を見て確信した。お前たちの実験は危険すぎる」


少し遅れて入ってきたのは一人の女だった


「三条美咲!?貴様っ!!」


「改めまして公安警察零課の三条美咲です。そしてさようなら。あなた方は2度と日の光を見ることは叶いませんよ」


連れて行け。そう言うと拘束していた警察官たちは男たちを気絶させ出ていった。


「あの少年はどうしますか?」


残った警察官がそう尋ねると


「私が保護しよう。彼には普通の生活を送ってもらう」


「了解しました。パーソナルデータの作業があるので失礼します。長官」


「ああ。頼んだ」


その後、少年は保護され女性の息子となり普通の生活を送ることになる。


そして、五年後。運命は再び動き出す。

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