ペットになりたい? 俺
「いらっしゃい、樹君」
「こんにちは、由香さん」
マキちゃんの家につく。
「お兄、マキおかえりー!」
いや、お前の家じゃないだろ、ナミ。くつろぎすぎの妹が出迎えてくれる彼女の家。
「おかえりなさい」
「よう」
マリヤとマサユキもいる。
「子どもが一気にこんなに増えるなんて誰が想像できたかしらー」
いえ、由香さんの子どもになるのはまだ……。もう少し……。
由香さんは嬉しそうに飲み物を聞いてくる。俺はお茶をお願いしておいた。
「今日はまた皆で上にいっちゃうの?」
「そのつもりだけど」
「そっかぁ、ここで皆が遊ぶのを見ときたいけどなぁ」
由香さんは少しさびしそうに言っていた。さすがにお母さんまで一緒になんて、しないよな?
「じゃあ、またこっちで見とくねー」
「うん」
…………え?
なんで由香さんスマホをスタンバってるんですか?
「頑張ってね。応援してるわー」
…………え? 応援?
「さぁ、行きましょうか。樹君」
ちょ、待って。いや、彼女の親にまさかバレ……。
マキちゃんが腕を引っ張って部屋に連行される。
「ま、マキちゃん。まさか……」
俺が聞くと、マキちゃんは当たり前のように頷く。
「知ってますよ? だって、これ買ってもらったのに何に使うか知らないわけないじゃないですか」
……っは、そうか!!
マキちゃんが配信機器を手でポンポンしてる。
「俺がやってることも」
マキちゃんはこくりと頷く。
うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。リアバレしたくない人ナンバーワン、付き合ってる彼女の親御さんにすでにばれてるだとぉぉぉぉ!? それってどうなんだ? いいのか? 娘が付き合ってる男がこんなのでいいのか?
「あ、ちなみにお父さんは知りません」
「……あ、そうなの?」
「はい、お母さんと私の秘密なので」
気持ちダメージは軽減したけれど、それでも
ん、でも待てよ? うちの母さんも知ってるから、まさか二人で盛り上がってたり……。母親どうし仲いいからなぁ。
「マキー、おいていかないでよー」
ナミがきた。その後ろからマリヤとマサユキも。
「そうだ、マサユキも参加することになったんですよ」
「へ?」
え、女の子のアバターで? マサユキが仲間に?
「ななみんのペット、ゆきまる君です!」
2頭身のまるい亀アバターを見せられる。あぁ、なんか似合いそうだ。
って、それでいいのか、マサユキー!?
「マキちゃん、前に男アバターはダメだって」
「亀ですし」
あぁ、亀だね。
「チームけもラブだよね。亀は、はちゅ――」
「ペットですから」
それでいいのかーー!!
「私だって、だいぶ妥協したんですよー。ねぇ」
マサユキは無言で頷いていた。
「マキちゃん、俺も――」
「ダメです!」
うおぉぉぉ、俺はどんだけ
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