父さんも美少女やってた、俺
父さんが俺と同い年の時の話だそうだ。
オレはこの世界で一番強くて、一番優しくて、一番可愛いを目指す!!
そうして産まれたのが凪というプレイヤーキャラクター。その時一番流行っていたオンラインゲームで作ったキャラだ。
繋は学校でモテなかった。無精髭やボサボサの髪で、クラスでもかなり浮いていたらしい。
でも、心の中では人気ものになりたい。モテたい! と思っていたらしい。それが何故かこうなってあーなって、美少女キャラを作った。意味わからん。
そのキャラを使ってゲームをしていた時に、母さん、当時女子高生が忘れ物を届けにきたそうだ。
なんだよ、そのどっかであったような偶然。
「あ、繋君もそのゲームしてるんだ」
たまたま、母さんも同じゲームをしていたらしい。
そう、男キャラクターで。
って、おいまて、なんだよ。どこの俺だよ!
「そして、仲良くなって産まれたのが樹君ってわけっ!」
母さんはケラケラ笑いながら父さんの黒歴史を暴露していく。そうか、父さん。だからゲームはほどほどにしておけよって言ったのか。同類の匂いでもかぎとられたのか?
「だからね、別に母さんはいいと思うわ。むしろ物足りないと思うの。だから、少し捻出してあげる。アクセサリーとかさ、可愛い衣装とか、まかせて!」
ちょ、何を言い出すんだ? これ以上は、自分のでなんとか賄えるし、母さんに手伝ってもらうとか何の罰ゲームですか。
「だから、教えて」
「え?」
「最近奈美ちゃんも鍵かけて母さんに秘密でなにかしてるみたいなの。だから、樹君知らないかなぁーって」
顔が怖い。笑ってるのに、こぇぇぇ。
すまん、ナミ。お前の事は、忘れないぜ!!
「情報と引き換えだ、母さん。ただ、安心していい。心配するようなことじゃないからさ」
だって、ナミは俺といつも一緒に配信してるんだから……。まあ、二十四時間一緒ではないから、細かいことまで知らないけれど。
そういえば、切っている時のナミは何をしているんだろう。俺も少しだけ興味を引かれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます