バニィになった俺の話
8月21日の俺(ついったイラストSS)
「今日はバニーの日らしいですにゃー!」
「8月21日でバニイですかー。私の日ですね!」
「そう、なのでボクとミツキはウサ耳をつけることにしましたー!」
三人でウサ耳をぴょこぴょこする。だがしかし、これは違和感しか感じない。
「ななみんはもとからついてるけど、もとの耳と、もう一個耳ってなんだか変だにゃー」
「あはは、そうだねぇ。ボクも何とも言えない違和感だ! でも、今日はこのままゲーム部はじめるよー!!」
スイッチをONにして、配信を始める俺達はチームけもラブのゲーム部だ。
中心は俺の彼女マキちゃんと俺の妹ナミ。俺は追加メンバーだ。
「ふぃー。今日もいい配信でした!」
「お疲れ様」
「おつかれ」
スイッチを切ると、リアルの三人に戻る、わけなのだが……。
今日の俺は疲れているのかもしれない。目の前のナミがバニーちゃんに変身していた。
「見てみてー! お兄! に、あ、うーー?!」
「どうした、ナミ! 大丈夫か?」
頭が、という言葉はふせておいてやった。俺の優しさに感謝しろ。
「むぅー、お兄のいじわる。マキー! お兄がいじめるよー!」
「ナミ、大丈夫です。とても可愛いですよ」
「マキぃ」
いや、マキちゃん。君、俺の彼女ですよね。俺の妹の彼氏ではないですよね?
「さて、樹君。そんな悪い人にはお仕置きが必要ですね?」
「あ、あの、いったいなんの事でしょうか……」
何かを手に持つ、俺の彼女マキちゃんがずいずいと近づいてくる。顔が、笑ってるけど怖いです!!
「気持ちを理解するためにナミと同じ格好をしてもらう刑ですよ!」
「な、なんだってぇぇーーーー!!」
いや、本当に待ってくれ。その手に見えるのはどう見てもウサ耳とバニースーツ。
俺、男です!!
「ふ、ふふふふ、大丈夫です。似合いますよー」
「ま、マキさん。目、目が怖いです」
「痛くしませんから……」
「まき……ちゃ……」
◇
単品バニースーツは勘弁してもらえた。とりあえず下がミニスカートだけど▽でないからセーフだと思う。
誰か、セーフだと言ってくれ……。
「まあ、まあ、お兄。似合ってるよ」
親指を立ててグッジョブしてる妹と並び、部屋の主の帰りを待つ。
「あの、お待たせしました……」
「あ……」
俺の彼女はウサ耳をつけた女神になって部屋に戻ってきたのだった。
もじもじする彼女はなかなか新鮮なものがある。
「似合うんでしょうか……」
「マキちゃん、可愛い」
俺の口から素直な感想が飛び出すと、マキちゃんの顔が紅く染まった。
彼女はどんどん可愛くなっていく。だが俺は、いつ男らしくなれるんだ?
☆☆☆☆☆
「それで、樹君、相談なんですが」
「何? マキちゃん」
「次はデートに行きませんか?」
「この格好で?!」
「あの……」
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