友が仲間になりたそうに見ている。仲間にしますか?の選択が現れた俺

「ふふふ、僕の友は呂布りょふになった……」

「いや、もう、ユウキも頑張れよ」

「僕のまわりに可愛い女の子なんていないんだ。見えている女子はすべて幻さ! そうさ、ファンタジーの生き物だ」


 目に見えて落ち込むユウキに俺はどう答えればいいのかわからない。すべてを呪う魔王にでも転生しそうな暗黒オーラをまとっている様に見える。そんな彼が急に顔をあげ、俺を見た。


「こうなったら、樹!」

「なんだ!」

「僕も、そのVの世界とやらに行くぞ!! 弟もゲームの世界でこくったみたいだからな! さぁ、教えろ! その方法を!!」


 いや、弟さんはたぶん俺みたいなおかしな出会いではないだろうけれど……。だから、参考になんてならないだろう。まず、ユウキはさ――。


「ユウキよ、女の子になりたいのか?」

「いや、おかしい。どうしてそうなる」


 何処どこからどう見てもユウキは、俺と違う世界の住人だからなぁ。正直、うらやましい。だけど、今は少しだけ、自分がこうだったことが良かったって思えるよ。

 あの日、マキちゃんに見られて驚いたし人生終わったと思ったのに、あれが俺と彼女の始まりだったから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る