ハヅキミクスなの!
大創 淳
第一章 ――発足。
第一回 令和三年六月二十二日。
――それは今日。僕は発足の日と決めていた。そして一人称は『僕』でも、
僕は中身も外見も女の子なの。……二度あることは三度あるではないけど、多分、三人目のボクッ娘となる。であるなら星野系統の女の子は、そうなのだろうか?
本当に、不思議な縁と思われるの。
前回は、葉月からポエムに挑戦したのだけど……
元々ポエム大好きだったから。――でもこの度は、エッセイに挑戦することにしたの。
あの人と同じ。千のストーリーズへと、きっと初めての、自分の本当の夢を自覚して旅立っていった、あの人と同じように、僕もまた発足したの。
新章を飾った芸術部と同じように、
名前の葉月よりも、一足先の発足。……今日この日を選んだのには理由があるの。六年前のこの日、パパはお仕事を失った。何もかも、自信までも一緒に。
だから、いつも一緒。――僕は、そんなパパといつも一緒にいた。
そして思うの、パパの顔をゆっくり見たのって、あまりなかった。そう思ったの。こういうのを『社畜』って言うのだよね。殆どお家にいなくて、遊んだ記憶も余りなく、パパの好きなことが何かがわからずに、僕は(どうしたらパパが元気になるの?)って、いつも思っていた。喩えるならブラックから、カラフルな世界へと、導きたかったから。
そこで描いたのは漫画。
パパと一緒に、一つの物語を発足したの。それが今日だったから。
そのゴールは、八月二十四日。僕のお誕生日だった。……世界で唯一の漫画。二か月という短いスパンだったけど深い思い出。僕の何よりの宝物となった。
――だから、今度は僕の番。
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