第76話 受付嬢の独白③
ルーミアさんの実力に懐疑的だった人も少なくなったところで…………ああ、そうでした。私の知らぬところでギルマス権限の特別試験が行われていて、ルーミアさんがBランクに昇格していたんでしたね。
休み明けでルーミアさんの昇格を知り、その手続き等を行うことになって本当に驚きました。
ルーミアさんはルーミアさんで嬉しそうに褒めろって催促してきますし……。
たった一日で何をしてきたんだろうと思って尋ねてみても、盗賊をしばいてきたとか言いますし……もう、ルーミアさんらしいです。
でも、褒められ足りないからってカウンターの前を占拠するのはダメですよ?
営業妨害はいけません。といいつつもルーミアさんが小動物みたいでかわいかったので、褒めちぎるのは悪い気はしませんでした。これ、ここだけの話なので内緒にしておいてください。
しかし……ルーミアさんはどうしてパーティを組みたがらないんでしょうか?
今となっては有名なことですが、ルーミアさんをパーティをにしつこく誘ったものはボコボコにされてしまうという……。
確かその日はルーミアさんが盗賊をしばいたときに助けることになった冒険者パーティと居合わせて勧誘されてましたが……一触即発でしたね。
でも、本当に何ででしょう?
以前からパーティの斡旋なども頑なに拒み続けるのはなぜ?
白魔導師としても一級品、暴力も一級品、どこでも活躍できるはずなのに。
ルーミアさんがいつの日か口にしていた『欠陥白魔導師』というのが関係あるのでしょうか?
今度機会があったら聞いてみることにしましょうか。
答えてくれるかは分かりませんが……。
それにしても、ルーミアさんももうAランクですか。
いつかは到達すると思ってましたが……本当に早かったですね。
気持ち的にはついこの間Bランクに上がったなーって感じだったので、異例のスピード出世には驚きを隠せません。
Aランク、ソロ、白魔導師。うん、何回聞いても意味が分かりません。
後衛職という概念を覆して結果を出すルーミアさんは異常です。以前彼女が言っていました。前衛だろうと後衛だろうとソロならば強制的に一番前だから関係ないと……。謎理論です。
ですが、それでもルーミアさんは強いです。
Aランク昇格試験も難なく突破してさすがというべきでしょうか。Sランク冒険者のアンジェリカさんとの模擬戦もクリアし、本命とも言えるAランク依頼はもっと簡単にクリアしてしまって……。簡単すぎて拍子抜けして、こんなので昇格してしまうのが申し訳ないとか前代未聞ですよ。他の冒険者が聞いたら卒倒モンです。
でも、彼女が結果を出すと私も鼻が高いです。
これからもルーミアさんの活躍に一役買うために、微力ではありますがサポートをしていけたらいいですね。
自称ルーミアさんの専属受付嬢として、彼女の活躍を特等席で見守るのが私の楽しみなので……!
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