Who is Color

くりすてる

第1話 who is color?

 布団に入って目を瞑る。


目瞑るといったって、私の両目は開かない。

何も写さないし、何も感じない。

 

 時刻は深夜12時。少し開いた窓からは雨粒が地面に打ちつける音が聞こえる。頑張って寝ようと努めてから30分。羊を数えるのも、もう飽きた。雨の音に混じって遠くの方からサイレンの音が聞こえる。

 「ここまでは来ないかな。」

ボソリと呟き、寝返りを打つ。


 3年前。交通事故でお父さんとお母さんは死んだ。

布団に潜って横になるたびに事故の瞬間が目の内側に浮かんできて、こびりついて離れない。

 「何で私だけ生き残ったの?」

もう一度寝返りを打つ。外では銃声の音が鳴り響いた。

 すると、感じた。暖かみのあるオレンジ色。

この時間になると時々感じる色。

私はこの色は両親だと信じている。


あの日、後部座席に座っていた私は事故で両目が見えなくなった。その時に一瞬感じたオレンジ色。そしてそのまま意識を失った。

それからというもの、私は、味や匂いを色で感じとれるようになった。

 

 今も感じるこの色は、絶対に両親だ。天から降りてきて私を見守ってくれている。

すっかり安心しきった私は、そのまま両親の温もりを抱きながら夢の中に入り込んだ。


 

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