ドリームワールド〜仲間と作る国づくり〜
神川創太
序章 夢の中で・・・
谷口正俊。独身37歳彼女なし。
工場勤務のごく普通のサラリーマンだ。
見た目に関しては良くも悪くもないだろう。正直ごく普通だ。そのかわり背は160センチと低めだ。まあそんな事は今更だ。
両親は他界してもう10年になる。大きい家で一人暮らしも10年も経てばなれるものだ。
唯一の楽しみは異世界転生物の小説をみること。
転生して貴族の子供に生まれてハーレムになったり、俺TUEEして最強の冒険者になったりと色んな小説を見てきた。不謹慎だが両親も居ないし、親友と呼べる友達も居ない。トラックに轢かれたりするのは嫌だが異世界転生しないかと毎日願っている少しやばいやつである。
「フッ。一人でこんな事考えてる事がまずいな。明日も早いし寝るか」
明日も現実が待っている。少し早いが夢の中でくらい楽しみたいと思いながら早めに寝ることにした。
ふと寝る前に思い出す。でも異世界に行けたらやっぱり・・・・スーッ。
《名前と性別と外見を選択してください》
何この夢?よくわからんが夢とは意味がわからない時があるし、物凄い矛盾もあるからこんなものか。
「注文が多いな。とりあえず男性で銀髪サラサラにしとこう。背は高めがいいな。180センチくらいにしとくか。名前はそうだな、夢の中だからカッコいい名前がいいからアデルにするか。」
おお!頭の中で顔が写し出されるがかなりのイケメンだ。
《選択を終了します。》
《次に種族は
何のこっちゃ?頭の中で色々説明してくれた。
種族の神人というのは人族の最高位らしい。
人<超人<仙人<聖人<
まあいい。それより伝説級?スキルだ。
名前的に凄そうだが話を聞いたら更に凄かった。
簡単に説明するとスキルを創造できるみたいだ。ただこの世界の根本を覆す様な事は出来ないみたいだけど。
スキルのランクだが種族が進化するほど強力なスキルを得る事が多いらしい。
まあ絶対では無いみたいだけど確率の問題ってことかな?
例えると人と神人ではどう考えても後者の方が強いスキル持ってるよねって事だ。
ちなみにスキルのランクは・・・
通常スキル《特質系《世界系《伝説系の順番らしい。俺のは伝説系=レジェンドスキルらしい。
ユニーク、ワールド、レジェンドか。
ありきたりだな〜なんて考えているとふと我に返る。
「てか、いつまで夢の中なんだ?」
そんな事をボヤくと頭の中で更に声がした。
《あなたの希望通り別世界に転生させます。》
な、な、な!!言葉にならない。
そんな事をいきなり言われても信じられるわけがないと伝えるが『事実です。』と言われた。実際夢には思えぬほど意識もはっきりしている。
行方不明者とかたまに居るけど事件とかに遭ったんだと思っていたがこんな理由もあったのか?
「あなたは神様なのですか?」
恐る恐る確認する。
《神とは違います。この世界の神とは種族の最高位を指します。ただ例えるならば創造主です。》
なるほど。神ではないがこの世界を作った偉い人?らしい。
「わかりました。それで何故俺が転生する事に?」
それが1番の疑問だな。何か理由があるのか、たまたまなのか。
《あなたが前の世界で願ったからです。あなたの願いと私の願いが丁度同じだったことであなたをこちらの世界に呼びました》
話を聞き終えて思ったのは。
俺なんか願ったっけ?
あっ!!!寝る前に考えてたやつか。たしか・・・異世界に行けたら色んな種族の仲間を集めて一緒に楽しく国を作りたいな。だった!!
まるっきし某異世界小説の内容だが・・・あれは男の夢だろ!!そんなくだらない事を考えていると創造主が話し出す。
《現在この世界では他種多様な種族が生活しています。しかし人族の国家が増えすぎてしまい他種族が生活しづらい環境になっております。》
ここで創造主がこの世界の始まりについて教えてくれた。
簡潔に話すと世界を生みだした後、まず動物を生み出した。
その後人族と魔物を生み出したのだが、この時人族と魔物が合わさった存在も生まれる、それが亜人である。
亜人の中には天使や悪魔と人が合わさったような変わった存在も居るみたいだ。
ただ時間が経つにつれ問題が起きているらしく、それが亜人と人族との確執らしい。
なるほどね。詳しく聞くと亜人は差別対象の様だ。
亜人にも強い者はいるらしいがそれでも数の暴力には勝てないのだ。
亜人を受け入れている人族国家もあるらしいがかなり少数みたいだな。
因みに人族とは此方の世界の人間のことだ。しかし他の種族はと言うと亜人と呼ばれているらしい。亜人と言っても人族と殆ど変わらないのだが見た目が少し種族間によって違うみたいだ。
他にも魔物は居るみたいだが意思疎通をはかれるのは高位の魔物だけで、そこは異世界小説とは大分違うとこかな?
《そこであなたには多種族を纏めて国を作ってもらおうかと考えております。人族に対抗する力も授けたので問題ありません》
いやいや!問題あるでしょうよ!!てか俺も人族だしさ・・多分。
でも願ったからには少しは頑張ってみようかな。出来るかはわからないが。
「まあわかりました。できるかはわかりませんが頑張ってみます」
正直向こうに未練もないし、半ば投げやりで了承した。いや。かなりワクワクはしていたんだけどね。
《それでは向こうに転生させます。あなたのご活躍を期待しております》
創造主がそう言った後俺の意識は途絶えた。
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