私の兄は小学生

枝豆

第1話

私の兄は今年で26になる。それでも兄は小学生だ。なぜかというと、内面的に小学生なのである。彼はすぐ怒る。キレる。物に当たる。〇〇だから仕方がない、という考えができない。彼には「喜怒哀楽」以外の難しい感情は存在しない。例えば、彼は13時から18時までのバイトを週に何回かしているが、バイトの日であっても午前中は暇である。だが、午前中にお風呂掃除や夕飯の準備をしておこうとはならない。自分の仕事ではあるが、帰ってきてから誰かがやってくれるから大丈夫だと思っている。その誰かが朝5時に起きて8時半から17時過ぎまで死ぬほど働いてるとしても、である。その誰かが後で可哀想だから、午前中暇だしやるか、とはならない。今やると決められていない、「タスク」化されていないため、今やらなくてもいいと判断しているのだ。彼は行動全てをタスクとして考えなければ行動できない。臨機応変、気遣いなんてもんでは動けない。決められたものを決められた時間に決められたとおりにしか実行出来ないのである。それは彼の弱点でもあり、欠点でもある。自覚もしているらしい。しかし、彼は何故やらないのか、と問うと「そんなに俺のタスクを増やして楽しいか」とキレる。もう頭がおイカレになっている。長々と彼について語ったが、彼の人生を私の被害状況とともに少し振り返ってみようと思う。

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