第27話 エピローグ
旅行から帰って日が経ち、夏休み最終日は茉桜の部屋でくつろいでいる。
宿題もしっかりと終わらしている為、最後まで残している人とは違い、まったりとした時間を得ている。
「今思えばウチって女の子は恋愛対象として見れへんって思ってたんやけど、茉桜の事好きになってるって事は最初から恋愛対象は女の子やったんかな?」
「どうかしら、恋愛対象が女の子と言うより恋愛対象になるのが私なんじゃない?」
「どうゆう事やねん」
「だって、私は夏休みギリギリまでかかっても好きになってくれるか分からないと思っていたのに、いつの間にか私の事を好きになってたじゃない。だから叶桜はきっと私しか好きになれないのよ」
「なんやそれ。まあでもそうかもしれんし、そうじゃないかもしれへんで?」
「そう、なら私でしか気持ちよくなれない体に調教しないとダメね」
「なんでやねん!てか、そんなん出来んの?」
「あれ?叶彩、もしかして誘ってるのかしら?」
「ちゃうわ!」
「ふふ、仕方ないわね。いっぱい気持ちよくしてあげるわよ」
「ち、ちょっと、茉桜、んっ」
近づいてきた茉桜にキスをされ、いつものようにかわいがられる。
何をされたら気持ちいいのか、全て知り尽くされている今では快楽のコントロールは簡単なのだろう。
旅館に泊まった時のように何度もイカされ、その度にかわいい、好きと囁かれ。お互いに愛を確かめ合う。
夏休みが終わり登校初日、校門で待っていた茉桜に「教室で待っててくれてよかったのに」と言って頭にポンと手を置く。
「いいのよ、ここで待っていたかったの。ここから始まったのよ?あの時の勝負から」
「そやったな」
「また勝負でもする?叶彩がもっと私を好きになるかどうかって勝負」
「そんなんどうせウチが負けるわ、ほら行くで」
二人は優しく笑い合いながら学校に入って行った。
誰が誰を好きになるなんて分からないし、それが異性かどうかも分からない。きっとその人が好きだから好きで性別なんて関係ない。
カッコいいから付き合ってと女の子に告白される事が多かったウチにかわいいかわいいと言ってくれる大好きな彼女が出来た。
二人で笑い合い、バカな事を言ったり遊んだり、エッチな事をしたり、きっとこんな日々が続いていくのだろう。
いつの間にか茉桜を好きになっていたようにどんどん茉桜に夢中になっていってしまうんだ。
「茉桜、大好きやで。これからも一緒にいてな」
「もちろんよ、叶彩」
こうして、夏休みに入る前に茉桜に煽られて始まった訳の分からない勝負はお互いの勝利という事で決着した。
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