第22話 ピクニックデート

 真知子と茉桜の三人で海に行ってから何日か経ち、今度は二人でピクニックに来ている。


 茉桜は暑い夏でも涼しさを感じさせるような白いワンピースを着ていて少し大きめのカバンを持っている。


 お弁当を作って来てくれたみたいだ。今はまだ食べる時間ではないがかなり楽しみだ。


 今日はバドミントンとかしたりして少し遊ぶ予定やけど、茉桜の服大丈夫なんかな。


 ウチは完全に動きやすさ重視の服やし大丈夫やけど、動きにくそうやな。


 木の影になっている所にレジャーシートを引いて二人で座る。


 周りには同じようにピクニックに来ている家族やイチャイチャしている人達、犬を連れて来ていて走り回らせている人もいる。


 いい天気であり、絶好のピクニック日和となっている。


 レジャーシートに座っている茉桜をジッと見つめる。


 木の影を選んで座ってはいるが、風で揺れた葉っぱの隙間から差し込んでくる小さな光が茉桜を照らして、綺麗な黒髪や白い肌を輝かせている。


「どうしたの?そんなに見つめて」


「んー?ウチの彼女はかわいいなーって思って見てたんや」


「ふふ、ありがとう」


 風が吹いたときに髪を押さえる仕草もとても絵になっている。


 茉桜の膝を借りて横になり、二人でゆったりとした時間を過ごす。


 下から見上げる茉桜の顔は安心感があった。いつもエッチな事をしてくる時も下から見上げる事が多いが、その時の顔とは違い優しく包み込まれる気分になる。


 もちろんエッチな事をしてくる時の茉桜の顔も好きだ。


 まだ付き合いだしてからそんなに日が経っているわけではないが、いろんな茉桜を知っていくのが嬉しいし、楽しい。


 心地の良い風に顔を撫でられて、近くには大好きな人、そして大好きな人の体温を感じながら自然と瞼が重くなっていく。


 ウトウトしていると、茉桜の手が頭を撫で始めた。眠そうにしているのが分かったのだろう。


 いつの間にか眠ってしまっていたようで、目を開けると茉桜が優しく微笑んでいた。


「起きた?」


「あ、ごめん。寝てしまってた」


「気にしないで」と頭を撫でる茉桜。


「どれくらい寝てた?」


「ほんの三十分程度よ」


「そっか」


 名残惜しい気持ちもあるが起き上がり、お腹の音が鳴る。


 茉桜がクスッと笑い、近くに置いていたカバンの中から少し大きめのお弁当を取り出した。


 レジャーシートにお弁当を並べた茉桜からお箸を受け取る。


 列を乱す事なくキレイに整列している形のいいおにぎり、おかずも定番のものが沢山入っている。


「うわー、めっちゃ美味しそうや!」


「作りすぎてしまったかしら?」


「そんな事ないで、ありがとう。いただきます」


 茉桜は作りすぎたと言っていたが、キレイに残さず完食した。


 おにぎりも様々な具が入っていてそれだけで楽しめたし、おかずも文句無しに美味しかった。


 水筒から注がれたお茶を飲み一息つく。


「ごちそうさま。めっちゃ美味しかった」


「ありがとう。作りすぎてしまったかと思ったけれど、全部食べてくれて嬉しいわ」


「美味しかったからお箸が止まらへんかったわ」


「良かった」と言った茉桜の顔はとても嬉しそうだった。


 ご飯を食べて少し休憩。


 少し離れた所でフリスビーを投げて犬と遊んでいる人がいる。


 その光景を眺めながら夏休みの事を話していると、こちらにフリスビーがフワフワと飛んできて近くに落ちた。


 犬が落ちたフリスビーを取るために走ってきたが、そのフリスビーを取る事はせずにこちらに走ってきて勢いよくぶつかった。


「うわっ!」


 あまりの勢いに負けて体が倒れる。


 わふわふと息を吐きながら体を乗っけてくる。


「どしたんやワンコ!」と言いながら体の上に乗った犬を撫でる。


「叶彩目掛けて走ってきたわね」


「ごめんなさーい!」と飼い主さんが駆け寄ってくる。


「大丈夫ですよ。かわいいですね」


「この子楽しさが爆発すると近くの人に突っ込んで行ってしまうんですよ。この前も他の人に突進してしまって」


「あはは、ウチは大丈夫なんで気にしないでください」


「ありがとうございます」


 飼い主さんは最後に謝って犬を連れて行った。


「犬同士惹かれあったのかしら」


「どうゆう事や」


「この間犬の格好したじゃない」


「なんの事やろ、全然覚えてへんわ」


「そう、ならもう一度やって思い出させてあげるわ」


「ふーん」


「ふふ、嬉しそうな顔してるわよ?」


「してへんし!」と言って顔を背ける。


 確かにあれは結構良かった...茉桜が嬉しそうやったからウチも嬉しいだけやし、別にウチがしたいわけちゃうし。


「そろそろお腹も落ち着いてきたし、バドミントンしようや」


 話題を変えるように話を切り出す。


「ふふ、そうね」


 二人は立ち上がり持って来ていたラケットとシャトルを取り出す。


「いくでー」


 ポンと茉桜に向かって優しく飛ばす。茉桜もそれにならって山なりに打ち返してくる。


 茉桜は今日白いワンピースを着ているので、ラケットでシャトルを打つたびに茉桜の白い足がチラチラと見え隠れしている。


 目線がそこに集中してしまって打ち返し損ねる。


「ふふ、どうしたの?叶彩ならこれくらい簡単だと思うのだけど」


「ちょっとミスっただけやし。ほらいくで」


 また軽く打ち合ってラリーが続く。


 さっきの時とは違ってバドミントンに集中出来ている。


 何回か続いた時、茉桜は左手で裾を太ももが見えるくらいまで上げた。


 スカッ。


 打ち損ねた。


「ふふ、どうしたの?」


「どうもしてへんし」


「そう」


 ウチの反応みて嬉しそうにしてるなー。ちょっと変な気分になってくるわ、茉桜のあんな姿見てたらバドミントンも集中出来ひんし。


「ちょっと休憩しよ」


「そうね、あまり集中出来て無さそうだし」


「あんなん集中出来ひんわ」


 レジャーシートに座り、話していると今度は茉桜が膝に頭を置いてきた。


「旅行楽しみね」


「そやな。旅行の前に夏祭りもあるで」と茉桜の頭を撫でながら楽しい事の話をする。


「夏祭りは叶彩の浴衣姿を見るのが楽しみだわ」


「茉桜も着てや」


「もちろんよ」


 茉桜が頭の向きを変えて、お腹の方に向き直した。


 何をするのかと思ったら服を少しめくり上げてチュッと軽くキスをしてきた。


「どしたん?」


「ちょっと興奮しちゃったのよ、バドミントンをしている時の叶彩の目線がエッチだったから」


「あれは茉桜が見せてくるからやん」


「興奮したかしら?」


「...まあ」


「ふふ」


「そろそろ帰るか、もうすぐ日も暮れるし」


「そうね」


 レジャーシートを畳んでラケットやシャトルを片付ける。


 ちゃんとしたデートって感じの一日になった。


 帰り際、まだ歩き始めた所だが「ちょっとごめん」と言ってトイレに向かう。


 近くのトイレを探したが、見つかったのは多目的トイレだった。


 周りに人もいなさそうやし、ここ入ろ。


「え、なんでついてくんの」


 茉桜も一緒に入って来ていた。


「一緒に入って欲しいのかと思って」


「そんなわけないやん!」


「そうなの?でもせっかくだしこのまま一緒に入っておくわね」


「いやいや、出てや。ウチそろそろ限界やねん」


「大丈夫よ」


「大丈夫ちゃうし!」


「ほら、手伝ってあげるから」と言って茉桜が近づいてきた。


 ちょっと待ってほんまにそろそろ限界や。このまま茉桜と言い争っててもラチがあかへん。


「離れて向こう見て耳塞いでて!」


「ふふ、はいはい」


 茉桜は言われたとおりにした。


 トイレに座って我慢していたものを解放した時だった、茉桜が振り向いて近寄ってきた。


「ちょっと!」


「どうしても叶彩のかわいい姿が見たくて、ごめんなさいね」


 茉桜の目線が下に行く。


 慌てて隠そうとするが、茉桜に邪魔されて結局最後まで見られてしまう。


「向こう見ててって言ったのに」


「お詫びにここ、拭いてあげるわよ」


「自分でやるわ」


 トイレットペーパーを取って拭こうとすると、茉桜にキスをされた。


「私にやらせて?お願い」


「...キスしたらなんでも出来ると思ってるやろ?」


「そんな事ないわよ」


 持っていたトイレットペーパーを取られて結局茉桜に任せる事になった。


「ふふ、いい子ね」


 よしよしと頭を撫でられた。


 茉桜の手がしっとりとしている場所に近づいてくる。


 チョンとトイレットペーパー越しに触れられると体が少し反応してしまう。


 茉桜に優しく丁寧に拭かれた。


「キレイになったかしら?」


「...うん」


「ふふ、本当かしら?確認してみるわね」と言って茉桜の手が近づいてくる。


 さっきとは違い、今度はトイレットペーパーなどない。


「ちょ、ちょっと、茉桜、んっ」


「おかしいわね。まだこんなに濡れているじゃない」


「それは...」


「もっと拭いた方がいいかしら?」


「茉桜のせいやん」


「そうね、私のせいだからちゃんと拭いてあげるわ」


 そう言った茉桜はトイレットペーパーなど使わずに指で拭く、というよりは指に絡めとるような感じで触りだした。


「んっ...」


「ダメね。何故か分からないけれど、どんどん濡れてくるわ」と言って手についた恥ずかしい液体を見せてくる。


「...しゃーないやん。好きな人にこんな事されてんねんから」


「ふふ、もっとして欲しい?」


「...うん」


「ダメよ。ちゃんとお願いしないと触ってあげないわ」


「...もお...茉桜、ウチのここ、もっと触って欲しい...お願い」と言って茉桜の手を取り近くまで持っていく。


「ふふ、仕方ないわね。叶彩がそこまで言うなら触ってあげる。私にして欲しい事があったら今度からかわいくおねだりするのよ?」


「うん」


 微笑みながらいい子いい子と頭を撫でられる。


 ...好き、嬉しい。なんでこんな事されてんのに喜んでしまうんやろ。


「私はエッチな事をしている時の叶彩を見るのがとても好きなの。私にコントロールされてかわいくなって...とても興奮するわ」


「...ヘンタイっ」


 ちゅ、ちゅ、と軽いキスをしながら茉桜の手が動き始める。


 ん、あ、激しい...んっ、んっ。


 茉桜の指が膣の中に入って来て気持ちいいところを刺激してくる。


 こんな所で、ウチ、茉桜にかわいがられてる。


「んぁ、茉桜ぉ、きもちぃ、ん...んっ」


 茉桜の指はどんどん激しくなり一番気持ちのいい所まで連れていかれる。


 ダメ、それ以上されたら、ウチ、んぅっ、ん、んんっ。


 体がビクビクと震え、熱く熱く燃え上がっていたマグマが茉桜の指ですごく気持ちのいいところまで連れていかれた。


「ふふ、こんなに気持ちよくなったのね」と茉桜の指に絡み付いた恥ずかしい液体をすくい上げて目の前で指を絡み合わせた。


「茉桜、好き」


「私も好きよ、叶彩。とてもかわいかったわよ」


 トイレを済ませるだけやったのに、茉桜のスイッチが入ってまたこんな所でエッチな事をしてしまった。


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