第9話   0009「バツ」

続き…


一つの民間シャトルが、港から出てきた。

アイボリーに塗られたカーゴ用シャトルで、何か機内は騒がしい。

「何です?ジオンって?」

「密告者の情報だと、核ミサイルが飛んでくるんだよ!」

「先日、コロニーの中でドンちゃん騒ぎしたばかりじゃないですかぁ~?」

「その話、いつ何です?」

操舵室内で、三人の会話が止む。

すると、彼等の前に赤い一閃が過る。

息を飲む三人は、息を合わせて応えた。

「今でしょうぉ~っ!!」




その先には、射程距離を確認するモニターがコックピットを照らす。

彼等に失敗は許されない空気が、焦りになる。

核ミサイルの破壊力は、宇宙空間では心中してしまう可能性は確実。

なんせ、スペースデブリが切りがない。

「中尉!連邦の何かが、急速接近中!?モビルスーツです!!」

「チッ、仕事速いねぇ~。ウチらもなっ!!」

三基の核ミサイルが、放たれた。

もう、それらを撃破しても、サイド6には大ダメージの影響が見込まれる範囲。

勝利を確信した彼等は、去っていった。

「そういや、連邦のモビルスーツって?!型式なんだった?」

「あぁ、ポンコツガンダムですよ。ブースター付けて、今頃…」


ボッ!! ジューーーーーーーーー!!

二本のビームが、リック・ドムを背後から貫いた。

何が起きたのか?理解不能に陥る中尉は、機体を停めてしまった。

後方に旋回しようとしたら、ロックオンをされたアラーム。

目に、ビームの灯りが見えた瞬間にザク1は、上下に別れた。



点滅を出しながら、サイド6に駐在するサラミス艦が何かを回収していた。

「いやぁ~、見事だよぉ~。アムロ・レイ曹長のソフト。三本、キレイに切断しちゃって。コンピューターは、スゲェ~なぁ~!?」

「主任!それは、パイロットの技量に因って現した結果です。しかも、トリモチの試作品をこうも使えるのは、バケモノです。」

アナハイムのスタッフが、震えながら語っていた。



その頃、時計の針は13時を指していた。



「こちら、アヤノ。一個艦隊、戦闘不能を確認。救護班の要請を御願いします。繰り返します。こちら、アヤノ。一個艦隊…。」



宇宙空間で音など聴こえないが、ニュータイプには霊の嘆き聴こえ続ける。

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