僕たちの機動戦記「公」

オサム(@,@;)v

第1話   0001「はじまり」

この話は、私が小学校低学年の頃の記憶です。

西暦1980年、日本は『昭和』でロボットアニメ全盛期の時代。それらのオモチャが、日本経済の開花に結び就くとは、誰も考えてなかったと思う。

当時は、都市開発と発展途上の地が日本人の希望であり、雇用として高度成長期を展開した。その過程を新聞に刷って、広告が増えていた。


外は日が沈み、皆が帰路を歩む。

大半の家庭は、夕食を用意したり、済ませたりして、テレビに釘付けされていた。

ブラウン管テレビが主で、新鮮な番組を選んで過ごしていた。

ガチャガチャ!

チャンネルを換える際に、白黒の砂嵐が画面を埋める。

すると、砂嵐の中から人影が、薄くぼんやりと見え始める。

ガラガラッ! ガシャン!

画面がスライドしたと思えば、横開きのガラス戸でした。露がチラチラと滴って流れる。

すると、身体から湯気を出した男性が両腕をせっせと動かしていた。

それは、扇風機が振り向いた時に理解できる。

べちゃべちゃの頭をバスタオルで、八方塞がりでゴシゴシと拭き取っていた。


「はっはぁ~、気持ちいいだろう?風呂上がりのコーヒー牛乳、飲むかぁ?」


若い男性の声は、ボサボサ頭の子に問い掛ける。


「えっ?!」 バスタオルをお腹に巻いた子は、天使のような笑みを浮かべ頷いた。


久々に、父と子のふれあいの場。銭湯に連れてこられて、よく窺う光景である。


黄色い桶、番台のオジサン、牛乳瓶が並ぶ冷蔵庫、大きな鏡等は誰しもが脳裏に焼き付けているでしょう。


牛乳瓶の蓋を開けるのに、画期的な道具を見つけ感動していた子が硬直した。

牛乳を飲み終えた父親は、我が子の異変に気付き考えた。

その子の目先には、映画館の広告のポスターがデカデカと2部も貼られていた。

右側に、ピンク映画。

左側には、子供向けのモノが。


その子は、奮えながら口にした言葉。


「ガっ、ガ・ン・ダ・ム。」


その広告のポスターは、メカニックデザイナー大河原邦男が描き上げたモノでした。


全ての発端が、このヒトトキが全てになるとは、誰も考え着かない事変で在る。

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