レベッカ一行の世界漫遊の旅 4 (母を求めて?千里? 2)

「と、兎に角大変だわ…エリザベスお姉さまは私に関心がないようだけど、少なくとも6人から私は追われているってことなのよね?捕まれば何をされるか分からないわ…!」


ブルブル恐怖で震えていると、長老様が言った。


「まぁまぁ…落ち着いてください、レベッカ様。何しろ貴女はあの『エデンの民』の一族なのですよ?その様な偉大なお方が、たかだか人間に怯えることはありません。でもそこまで不安だと思うなら、私がここから彼らの元へ雷を落として黒焦げにしてさしあげましょうか?」


長老様は笑顔でとんでも無いことを言う。


「まぁ!それは素晴らしい考えですわ!是非、いますぐ天罰を与えて下さいなっ!」


ミラージュはパチパチと手を叩く。


「だ、駄目ですってば!殺生はいけません、殺生は。それにひょっとすると、お母様への足がかりを知っているのは今の所、お父様しかいないはずです。もしお父様に何かあれば、私はお母様と一生会うことが出来ないかもしれないじゃないですか!」


まぁ…最もアレックス王子と変態国王、ランス王子は再起不能程度にしてもらってもいいかもしれないけど…。


「ふむ…確かにそうかも知れないな…」


長老様は考え直してくれたようだ。するとそこへ美少年?が口を挟んできた。


「まぁ落ち着きなさい。絶対に彼らはここへ来ることが出来ないのだし…何も焦ることは無いよ。というわけで、ミラージュや。10年位、ここでゆっくりと皆で暮らしていかないかい?レベッカ様も、お供の女性も。10年もここで暮せばレベッカ様の追手達も諦めてくれるだろう?」


ミラージュパパは何とも恐ろしい事を言う。


「10年ですか?まぁ…少々長くは感じますが…それもありですわね。最もレベッカ様次第ですけど」


ミラージュは半分本気になりかかっている。じょ、冗談じゃないっ!


「ちょ、ちょっと待って下さいっ!10年もここにいられませんよっ!何しろ外界ではサミュエル王子が待機しているんですよ?!10年も1人で神殿で待たせるのはあまりに酷な話だとおもいませんかっ?!」


「あ、そう言えば…サミュエル王子がおりましたわね?うっかり存在を忘れかけていましたわ」


ミラージュは言うけれども…。


「レベッカさん、絶対…ミラージュさんはサミュエル王子の存在を忘れていたと思いませんか?」


こっそりナージャさんが耳打ちしてきた。


「あ、ナージャさんもそう思いましたか?きっとミラージュはサミュエル王子の事は忘れていましたよ?」


何しろミラージュはドラゴン。異性の男性にはまるきり興味を示さないのだから、無理はないかもしれない。


「すみません、そういう訳ですので…あまりここには長居出来ません。申し訳ございません」


私は頭を下げた。

とにかく、私を追う人たちに見つかる前にお母様を見つけ出し、安全な場所に逃げなくは…。


私はこれから自分がどうするべきか考えた―。



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