第144話 朝から元気
―――――微睡みの中で起こった。
「ふふ、おはよう、私のコスモス」
「あう~、ぶ~」
「チュッ。うふふふふ、なんて可愛いのかしら、私のコスモス。もういっかい、チュッ」
もう朝なのか? さっき寝たばかりのような気がするが、それだけ爆睡してしまったってことか? だが、それでもまだ眠い。
そして、筋肉痛が酷すぎる。
全然疲れも取れてない。
ラーメン屋で早起きは慣れているはずの俺でも、これは二度寝コースだ。
傍らでエルジェラがコスモスにおはようのキスをしているが、俺は無視して寝ておこう。
「ふふ、そして、ヴェルト様もおはようございます」
「ッ!」
「チュッ。ふふふ……っ、わ、私ったらなんてことを! あ、あまりにも自然にヴェルト様に口づけを……ッ!」
なんてことでしょう。
これ、起きて注意したほうがいいか? 俺もあまりの不意打ちに声が出なかったよ。
まあ、でも、エルジェラも寝ぼけていたのか、どうやら自分のやったことを自覚して反省………
「でも、問題………ないのですよね? だって、コスモスは私とヴェルト様の子供ですもの。だから、それは私とヴェルト様が………ッ、わ、私ったらどうしたのかしら? 顔が火照ってしまいます」
くそ~、照れくさい、恥ずかしい、ムズ痒い。
「も、もう一度、し、失礼します、ヴェルト様……ん、ちゅっ」
「……」
「ちゅっ、ん、ヴェルト様……ちゅっ、私とコスモスのヴェルト様……そして私はあなたのエルジェラです……んっ、ちゅ」
ダメだ。
もう一回と言いながら、こいつは何回する気だ?
「ぷはっ……どうしてでしょう……病みつきになってしまいます……もっと、ヴェルト様……嗚呼、私たちのヴェルト様ぁ、ちゅっ、ん、ちゅぷ」
ここら辺は、フォルナとウラと同じだ。人の寝込みを襲ってはまずはキスの雨を降らして……まずいな。
ここで起きても何だか変な空気になりそうだし、ここは二度寝で誤魔化し………
「ん? あら? これは……」
ただ、キスに夢中だったエルジェラが何か気になるものを見つけたのか、キスを中断。
何だ?何かあったのか?
「………まあ、まあ、ヴェルト様ったら、こちらは元気よく起きていらっしゃるのですね」
「???」
ん? エルジェラが何か気づいたかのように言ってるが、何だ? こちらは元気よく起きている?
「でも、服の中で苦しそうですね。男性とは、こういうものなのでしょうか……一応挨拶はしておいたほうがよろしいですよね?」
ッ! え、………………え、ええ? 何で? か、下半身がメッチャスースーしてる?
シーツをめくられた? いや、それだけじゃねえ。脱がされた? えっ、何で?
「ふふふ。おはようございます」
「………………………………………………………………………………?」
「そ、それにしても……すごい……これが男性の……ゴクリ……お姉さまたちも見たがっていた……私も昨日、凍死寸前だったヴェルト様をお救いする際はあまりジックリとは見れませんでしたが……」
あ、ありのまま、今起こったことを話すぜ。
な、何を言っているのか分からねーと思うが、俺もナニを何かされたのしか分からなかったぜ。
頭とナニがどうにかなりそうだ………
「まあ、礼儀正しいのですね。ピコピコ頭を下げて挨拶してくださるなんて。ええ、おはようございます」
「………………………………………………」
「……でも、その、大丈夫でしょうか? かなり熱っぽいようですが………まあ! やはり熱いです、熱があります!」
え、えええ、えええええええええええええええ?
いや、朝だもの! 男の子だもの! 生理現象だもの! そういうものなんだよ!
ってか、こいつは……こいつはぁ!
「よしよし、落ち着いてください、大丈夫ですよ」
エルジェラが、寝ている俺を抱きしめた。
「まあっ! ヴェルト様の全身が急にビクンって跳ね上がって………落ち着いてください、大丈夫です。私がそばに居ますから………よしよし」
や、やわらか、多分この態勢、赤ん坊に乳を与えるかのように、エルジェラの胸に、に、服の上から俺の顔、こ、擦りつけ………
だ、だめだって、よ、余計に固く、熱くなるって、や、やめ………
「あっ、染み出て……そうでした、私は出産したばかりですから、今はお乳が……」
い、いかん、なんか俺の顔は服越しとはいえ頬に感じるこれは……胸の弾力以外にも湿った……こ、これは、これはぁ!
「ふふふ、コスモスが起きたらいっぱい飲ませてあげないとですね。母としてこれほど幸せなことはありません。いっぱい……いっぱい……」
ふぅ、落ち着いてくれたか? どうやら女としてではなくエルジェラの母性の方が顔を出してきたようで、これ以上のことは……
「あっ、そういえば……」
これ以上のことは……
「そういえば、昨日ヴェルト様をお救いした際……朦朧としたヴェルト様は私のお乳を……うふふふふ、魔王と戦ったヴェルト様はあれほど素敵でカッコよかったのに、あの時のヴェルト様はとても可愛らしかったですね」
「………………」
「でも、意識が無かったとはいえ、私の胸にああいうことをするということは……ヴェルト様はお乳が好きなのかもしれません……」
「…………」
「あの時は何も出ませんでしたが……でも、今なら……」
「……?」
「……コスモスも全部飲むわけではありませんし……す、少しだけならヴェルト様にも……」
「ッッッ!!!???」
な、ナニヲする気だ!? エルジェラがゴソゴソとしながら服を脱いでる!? 乳出してるのか!? そこから何をする気だ!? 何を俺に!? いや、いやいやいやいや! そんなのダメに決まってる!
これは、アレだ……かつてクラスメートのエロコンダクターが貸してくれたあのマニアックなビデオのプレイ的なものをしようとしているのか? そ、そんなの……
「さ、ヴェルト様……め、めしあがっ――――」
きょ、興味はあった……が倫理上まずい。俺はもう狸寝入りはやめて流石に起きようと――――
「ヴェルトッ! お、起きてるかぁ? もう朝だぞ! それと、エッチなことをしてないかチェックに……ん?」
「え? あら、ウラさん。おはようございます! でも、まだ、しーです。ヴェルト様もコスモスもまで寝ておりますので……」
「…………ふぇ?」
ぁ………終わった……
「き、きさ、きさま……エルジェラ、そ、そ、ソレは! ソレは……」
「?」
「そ……ソレは私のものだあああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
「ひゃっ、あ、う、ウラさん!」
「おのれえええ、ヴェルト! ううううう、もう我慢できん!」
そして、そのままウラがベッドにダイブしてきて俺たちは……
そこから先は誰にも言えない。
貞操は守れたとフォルナには言えるものの……なら、どこまでヤッたのかは、決して口には出せない。
ってか、赤ん坊が傍でスヤスヤ寝てるのに、俺たち三人は朝からナニをしてるんだよ……
――あとがき――
ここが限界、無理。ナニがあったかの詳細はいずれノクターンノベルで掲載します。
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