第四十章 権力争い
第四十章 権力争い
扉の前には
部屋にはサクセーナ大臣だけではなく、他の四人の大臣もいた。侍女たちの知らせを受けて、現在の
全員横並びに椅子に座って
アニルは
「よく戻って参られた。風の祭司アニル殿。」
大臣の一人が言った。
「お久しぶりです。大臣の皆様。」
アニルは
「今スターネーシヴァラ国は
「そのことについては聞き及んでおります。私がこうして戻って来たのはもちろんスターネーシヴァラ国を守るため。必ずやこのスターネーシヴァラ国を守ってご覧に入れましょう。」
アニルが大臣たちを喜ばせるように
「ただし、それには条件があります。」
大臣から笑顔が消えた。サクセーナ大臣だけが予想していたように驚きもせず、聞いていた。
「条件とは一体…」
「ハルシャ王子が王位を
大臣たちがが『あっ』と忘れていたことを思い出したような顔をした。そしてアニルの後ろにいるハルシャ王子にようやく目を留めた。
大臣たちは今までまったくハルシャ王子の存在に気づいていなかった。ラージャ王が亡くなり、スターネーシヴァラ国の
ハルシャ王子も大臣たちが自分を忘れていたのに気づいた。けれど取り立てて何か言うつもりはなかった。ハルシャ王子も大臣たちも黙ってアニルの言葉が続くのを待った。
「もちろん、
アニルはそう言った。
「了解しました。」
そう最初に口を切ったのはサクセーナ大臣だった。四人の大臣はサクセーナ大臣を見た。
「ハルシャ王子は
サクセーナ大臣がそう言うと他の四人の大臣たちももっともだと言わんばかりの顔で
「では、そういうことで。」
アニルは
その時、後ろの扉が再び開かれた。部屋に二人の祭司が入ってきた。一人は
「ここに皆が集まっていると聞いてやって参りました。」
「スターネーシヴァラ国が危機に
黒縁メガネを掛けた若者が言った。この若者がプータマリ
二人は
「ハルシャ王子ご無事で何よりです。」
スバル
「その子供は?」
スバル
「ハルシャ王子を私のところまで案内してくれた
スバル
「
スバル
「そうですね。でもここに
アニルはニコリと
「では席に着いて会議を始めましょう。我々には時間がありません。」
プータマリ
「さて、話し合いと行きましょう。」
アニルが全員に言った。サクセーナ大臣とスバル
ハルシャ王子は八人の顔を
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