第三章 ハルシャ王子
第三章 ハルシャ王子
「ハルシャ王子お待ち下さい!」
「離せ!お前なんか
「アニル様はもうここにはいらっしゃいません。どうか
「うるさい!離せ。」
赤い
「ハルシャ王子、とりあえず部屋に戻りましょう。」
ラーケーシュがそう言いながらハルシャ王子の肩に手を置いた。
「いやだ。離せ!」
ハルシャ王子は乱暴にラーケーシュの手を振り払った。その
「ハルシャ!」
ラージャ王の怒鳴り声が
「ハルシャ、それが師に対する態度ですか?ラーケーシュ
ラージャ王は厳しい
「ハルシャ、聞こえているのですか?
ラージャ王はもう一度
「ハルシャ!」
ラージャ王は責め立てるように言った。すると目に涙をためたハルシャ王子が顔を上げた。
「兄上なんか大嫌いだ!」
一瞬の出来事だった。ハルシャ王子はそう叫ぶと走り出して、その場から逃げ去った。ラージャ王も驚いて引き止めることも追いかけることもできなかった。ラーケーシュはラージャ王とアジタ
「ラージャ王、大丈夫ですか?」
立ち尽くしているラージャ王にアジタ
「あっ、ええ、大丈夫です。驚いてしまって。一度たりとも私に
ラージャ王はそう言った。その声にはいつものような元気がなかった。
「王子もきっと今頃言ったことを
「そうですね。時間を置いてから話をしに行くことにします。」
「そうなさいませ。」
ラージャ王とアジタ
その頃、一方のハルシャ王子は自分の部屋に戻っていた。扉に鍵をかけ、閉じこもっていた。追いかけてきたラーケーシュは
「ハルシャ王子、開けてください。私です。ラーケーシュです。」
ラーケーシュは
「ハルシャ王子、開けて下さい。ちゃんと話し合いましょう。私に
「
中から
「ハルシャ王子、ラージャ王に言ったことを
「
むせび泣く声が
「ラージャ王はあれがハルシャ王子の本心ではないとちゃんと分かっていると思いますよ。」
「うるさい!」
扉の向こうでむせび泣く声が
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