第2話 火曜日、お弁当作ってます

朝。私は台所で父と私のお弁当の作っているのですが、すこし玉子焼きを焦がしてしまいました。まっ、いっか。

今日のお弁当は……一昨日作ったトンカツを入れたトンカツ弁当。父も喜んでくれるかな。

お弁当ってどうしても晩ごはんの余り物を入れがちですよね。そのほうが楽だしね。

そういえば一昨日、父の日でしたよね。皆さんはなにかしましたか? 手紙だったり、プレゼントだったり。私は……恥ずかしくて渡せませんでした。手紙は書いたんですよ。でも渡すことにかなり勇気もいるし……いつも頑張ってくれてる父に感謝をしたいのに……素直になれないんですよね。

鮭をフライパンで焼く。ジュワジュワとする音。

焼けた鮭をフライパンから取り出して、お弁当に詰めます。

完成しました。トンカツ弁当!!



***



「田中さんのお弁当すごいですね。自分で作っているんですか?」

「いやいや。娘が作っているんだよ」

「ホントですか! しっかりした娘さんですね」

「嬉しいよ。このお弁当のおかげで仕事でもう一踏ん張りできるんだ」

「おーい、田口ー。飯行くぞ」

「分かったよ。すいません田中さん。僕も飯行ってきます」

「行ってらっしゃい」

「よいしょっ。あれ、手紙が入ってる。なんだろ……お父さんへって書いてあるけど……あっ、父の日か」

「いつもありがとう。迷惑かけてごめん。お父さんがいたから今の私がいるんだって思ってる。体に気をつけてね……」

「そうか。美玲がこんな手紙を書くとはな。嬉しいな」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る