第85話 Aランク昇格試験(2)

 ※投稿が遅れてしまい申し訳ありませんでした。

 ちょっと、本文の内容が雑かもしれませんがお許し下さい。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 私とラッシュの試合終了後、直ぐに次の試合が始まった。

 呼び出しが掛かりステージに上がったのは、弓矢使いの女性と剣士の男性の二人。

 場合によっては、一瞬で勝負がつきそうな試合の組み合わせだ。


「どっちが勝ちますかね?」

「そうだねぇ。…………ジェシカって女性じゃない?」


 ジェシカとは、弓矢使いの女性の名前。

 ちなみに、剣士の男性はゲルって名前らしい。


「何でそう思うんですか?」

「理由?そうだね。鑑定したから?」


 理由だが、まぁどちらも鑑定した。

 ゲス野郎ならともかく、人の情報を覗き見する様であまり好かないが気になったので覗いてみた。


 ────

 名前:ゲル

 種族:人間

 状態:通常

 LV:86

 HP:405/405

 MP:187/187

 筋力:498

 耐久:308

 敏捷:458

 魔法:93

 ─スキル─

【剣術Lv8】【強腕Lv7】【体術Lv7】【回避Lv6】

【棒術Lv4】【気配感知Lv4】【魔力制御Lv5】

【物理耐性Lv4】

 ─称号─

【Bランク冒険者】

 ────


 ────

 名前:ジェシカ

 種族:人間

 状態:通常

 LV:72

 HP:357/357

 MP:201/201

 筋力:398

 耐久:219

 敏捷:489

 魔法:214

 ─スキル─

【弓術Lv9】【体術Lv5】【俊足Lv6】【射撃Lv6】

【遠視Lv5】【短剣術Lv4】【魔力制御Lv5】

【気配感知Lv4】【知覚強化Lv3】

 ─称号─

【Bランク冒険者】

 ────


 で、まぁこんな感じだ。

 パッと見は、ゲルって男性の方が強そうなのだが、スキルの多さやスキルLvがジェシカって女性も負けてない。

 何より、主力武器のスキルLvがジェシカって女性の方が高いし近接戦も想定してるのか近接も可能なスキルを取得している。


「ステータスはゲルって男性。スキル面ではジェシカって女性。だけど、ジェシカって女性は、近接も視野に入れたスキル構成をしてたから。だから、案外ジェシカって女性が勝つかなぁ~ってだけ。まぁ、多分だけどね」

「なるほど。ステータスかスキルか。見物ですね」


 フェリが、私に向けていた顔をステージに戻す。

 それと、タイミングを同じくして試合が始まった。


「始め!」


 スタート合図でゲルが身体強化を用いて一気にジェシカへと間合いを詰めようと接近。

 遠距離にいては、攻撃も出来ないし弓矢で一方的に狙われるだけなので当然の行動選択だ。

 しかし、ゲルは間合いを詰められなかった。


「あらら。ちょっと、スタートを出遅れたか」


 ジェシカも、スタート合図と同じくして弓を構え、矢を筒から四本取り出すと瞬時につがえる。

 つがえて、僅か一秒あるかないかの間。

 瞬間、ジェシカの矢が放たれたのだ。

 狙いすまされた矢は、一本も狙いを外す事なくゲルの手、足、胴を狙っていた。

 矢の狙撃で、序盤からペースを崩されたゲルだが避ける事なく剣を高速で振り抜く。

 すると、迫り来る矢を直撃間際に全て斬り落とし避ける事なく矢を対処して見せた。

 凄い剣技である。


「凄」

「凄いです」


 再び接近を図ろうとジグザグに走り狙いを狂わしながらジェシカに迫るゲル。

 動く相手に矢を当てるのは困難だが、ジェシカはそんな事関係無いとでと言うかの様に次の矢を五本つがえた瞬間放っていた。

 実戦の中で鍛え上げられた弓矢の技術は凄まじく行動の先を読んだ矢の攻撃は寸分の狂いも無くゲルを捉えていた。

 しかし、ゲルも負けておらず一閃の元に目前に迫る矢を斬り落とし避ける隙間をつくり回避。

 ジャシカの目前まで接近する事に成功した。


「ハア!」

「くぅッ!?」


 接近と同時にジェシカに剣を振り下ろすゲル。

 高速の一撃。

 実力の低い冒険者なら、避ける事は叶わず攻撃を受けて終わっているだろう。

 だが、あいにくこの場に居るのはAランク試験を受ける実力者。

 ジェシカは、その攻撃に対して咄嗟に懐に仕舞っていた短剣を取り出すとゲルの振り下ろしを短剣で受け流して見せた。


「シッ!」

「クソッ!」


 受け流され隙が出来たゲルに向けて短剣を振り抜くジェシカ。

 短剣が当たる。

 そう思った直前、ゲルの反射神経が攻撃の早さに勝り大きく後方に跳んで回避されてしまう。

 しかし、その回避方法はゲルにとって悪手だった。

 ゲルの視線の先には、矢をつがえる。

 のではなく、既に六本の矢を放っているジェシカの姿。


「チッ!」


 剣を一閃。

 迫る矢を斬り落としてみせたゲル。

 一瞬の間に目前まで高速で迫る矢を斬り落とすその剣技はとても凄い。

 しかし、ゲルの足元に落ちている矢の数は五本。

 ジェシカが放った矢の数は六本。

 つまりは、一本落とし損ねた。


「くッ"!」


 ゲルの左腕には、先ほどまでなかった切り傷が出来ていた。

 直前に身体を捻った事で直撃は避けたものの完璧に避ける事は出来ず矢を掠めてしまっていたのだ。


「凄いですよ!あれを避けました。試合はこれからですね」

「どうかなぁ」


 横でゲルの体捌きに興奮するフェリの言葉を聞きながら私は、矢を避けられたのに微笑を浮かべているジェシカの表情を見ながらそう言葉を返した。


 あの表情。

 何かありそうだなぁ。


 さて、突然だが弓矢での戦闘と言えば何をイメージするだろうか。

 遠距離の敵や動く敵に合わせて放たれる神業的な狙撃。

 隠密からの奇襲攻撃。

 遠距離からの集団での一斉狙撃での弾幕攻撃。

 等々とまぁ、イメージは色々とあるだろう。

 ちなみに、私の場合は某モンスターを狩るゲーム等の印象で毒物を仕込むイメージがある。

 実際、毒を使うのは弓矢での戦闘では一般的なものだ。

 弓矢使いのジェシカも、毒を使った矢は使用するだろう。

 もし、事前に毒を塗ってある矢が準備してあったりすれば。


「ぐぅ"!?な、何でだ。身体が、動かない」

「当然じゃない。矢に麻痺の効果がある即効性の毒を塗ってたんですから」


 やっぱりであった。


「やっぱりかぁ」

「事前に矢に毒を塗ってたなんて」

「一般的な戦略の一つ。覚えとくと良いよ」


 ステージを見れば、審判がゲルの元に駆け寄っており続行可能か確認している。

 しかし、ここから見ても身体が痺れていて言う事をきいてないのが見て分かる。

 続行不可能の判断をされるのは確実だろう。


「試合続行不可能。よって勝者、ジェシカ!」


 予想通り続行不可能となった事で、試合はジェシカの勝利となった。

 それにしても、今の試合は凜の戦闘に非常に参考となる。

 しっかりと見ていただろうかと凜の様子を見てみると熱心にジェシカを凝視しているのが見えた。

 あの様子なら、余所見等せずに観察していたに違いないだろう。


「さてさて、次はどんなだろうね」

「どんな試合が見れるんでしょう」


 今回の昇格試験は、私合わせて合計十六人の冒険者が参加していた。

 初戦は計八試合。

 その内の三試合が今終わった。

 自身の試合を含めた三試合の冒険者の戦闘を見た感想としては、普通に強いなと思った。

 ただ、それは人間という種族の中ではである。

 魔物を含めた全ての種族全体で見るなら少々実力が物足りない。


 魔王への対抗戦力としては、出来ればジョニー位の強さは欲しい所だけどジョニーは実質Sランク冒険者みたいなもんだしなぁ。

 Aランク昇格試験を受ける冒険者に歴戦の猛者のジョニーと同じ強さを求めるのは酷か。


 私は、次の試合が始まるステージを眺めながらどうしたもんかと頭を悩ませるのだった。


 ※※※※※


 初戦も残すは一試合となった。


「次で初戦も終わりですね」

「だね」


 ジェシカとゲルの試合の後にあった試合だが、初戦四試合目。

 剣士とメイス+大盾使いの男性二人の試合だった。

 結果を言うとメイス使いの男の勝ち。

 剣士が、怒涛の剣撃を仕掛けるもメイス使いが大盾で冷静に防御し続け最後は隙を見せた剣士を大盾越しにタックルしてメイスを顔前に突き付けて終わり。

 別に剣士も弱くなかったが、これは対戦相手との相性が悪かった。


 次の初戦五試合目は、短剣使いの男性と魔法使いの女性の試合。

 結果は、短剣使いの男性の勝ちだった。

 女性が、幾つもの水魔法を放つもステージを高速で駆け抜ける男性には狙いが定まらず当たりそうになっても軽く避けられてしまう。

 最後は、男性に背後を取られて終わりだった。

 強力な魔法を放ってたのに、一度も魔法が当たらず活躍を見せれず終わった魔法使いの女性にはドンマイとしか言えない。


 初戦六試合目は、魔法使いの男性と戦鎚使いの男性の試合。

 結果は、魔法使いの男性の勝ち。

 戦鎚の重さを感じさせない速度で間合いを詰めて攻撃する等と戦鎚使いの男性は善戦してみせた。

 しかし、魔法使いの男性が使う風魔法の弾丸や突風。

 それらを、戦鎚使いの男性は直接回避したり巨大な戦鎚でガード、振り抜いて打突面で打ち消すも最後は防御しきれず魔法を受けてしまいガードが崩れ幾つもの魔法を受けて負けてしまった。


 初戦七試合目は、拳闘士の男性と剣士の男性の試合。

 結果は、拳闘士の男性の勝ちだった。

 怒涛の剣撃を籠手?と体術でいなす。

 僅かに剣技が乱れた瞬間、剣を弾いて隙を作ると高速で懐へと潜りこんでの腹部に打撃を叩き込んでの勝利。

 文句のつけようが無い勝利だった。


「初戦第八試合、ダンとスカル。二名はステージに上がって下さい」


 審判に呼ばれて二人の男がステージに上がった。

 装備を見るにダンという名前の男も剣士な様で腰に通常サイズの剣を下げている。

 初戦最後は、剣士と大剣使いの剣士同士の試合な様だ。


「お二方、準備はよろしいでしょうか?」

「大丈夫だ」

「さっさと始めろ」


 審判の確認に両者が答える。

 両者の答えを聞き問題ないと確認した審判は、初戦最後の試合の開始を告げた。


「始め!」


 合図と同時にダンと呼ばれていた剣士が剣を抜き放ちスカルに向かって駆け抜ける。

 身体強化を施しているのだろう。

 ダンの足の速さは中々のもので、瞬きの間にスカルの目の前まで間合いを詰めると剣を振りかぶる。

 次の瞬間には、剣を振り下ろされ攻撃される。

 だというのに、それに対してスカルはまだ背中に背負っている自身の身の丈に迫る大きさの大剣を握ってすらいない。


「終わりだあ!!」


 ダンの雄叫びと共に高速で振り下ろされた剣の一撃。

 スカルは、無防備に突っ立っているままであり勝負は決まったと思われた。

 しかし、仮にも自身を未来のAランクと呼称する男。


「誰が終わるか雑魚が!」

「な!?」


 スカルは、僅かに後方に移動して剣を回避。

 瞬間、スカルは大剣を抜き放ちダンに向けて振り抜いた。

 その一撃は、巨大な大剣であるにも関わらずまるで普通の剣と変わらない程の高速のスピード。


「オラア!!」

「ゴハッ!」


 ダンは、咄嗟に剣で大剣の一撃をガードした。

 にも関わらず、その一撃の威力があまりにも強力でありステージ外までガードごと吹き飛ばされると会場の壁へと叩き付けられた。


「おい!おい!大丈夫か!」


 ダンが倒れた側にいた冒険者の一人が駆け寄り様子を確かめる。


「駄目だ意識が無い!急いで医務室に運ぶんだ!」


 しかし、打ち所が悪かった様でダンは意識を失っており試合等出来る状態ではなかった。

 当然スカルとの試合は続行不可能。


「試合続行不可能。よって勝者、スカル!」

「ハッ!当然だ」


 試合は、スカルの勝利で終わった。

 僅か一撃の攻撃しか行われなかった。

 しかし、それでもスカルがかなりの強さである事は理解出来た。


「あのスカルって男かなり強そうですね」

「そうだね。一撃で勝っちゃったし」


 Aランク昇格試験の合格者の最有力候補。

 未来のAランク冒険者。

 自身をその様に呼称していたのを内心自己陶酔野郎だと思っていた。

 しかし、この実力ならあながちその呼称も間違いでもなさそうだ。

 コイツの強さなら決勝まで普通に勝ち進む事だろう。


「次の試合を始める前に休憩を挟む。回復魔法使いを呼んでいる。怪我をしたものは治してもらうと良い。特にまだ試合を控えている者は、治してもらって万全の状態にする様に。以上だ。休憩が終われば知らせるのでしっかり休む様に」


 そう言ってギルマスのオッサンは会場から出ていった。


「休憩かぁ」

「どうされます?」


 私は、別に疲れてもいないので休憩中どうするか少々考え。


「鍛練でもするか」

「……え?」


 スキル上げの鍛練をして暇を潰す事にしたのだった。


 ※※※※※


 並列思考で魔力制御と感知系統のスキルを同時に発動して鍛練をする事約三十分位だろうか。

 会場にギルマスが戻り休憩終了が告げられ試験は再開された。


「それでは試験を再開します。ロックとアカリ。二名はステージに上がって下さい」


 私の二試合目の番がやってきた。


「行って来るね」

「頑張って下さい!」


 フェリの応援を背にステージへと上がる。

 向かいからも剣士のロックがステージへと上がってきて私の前まで歩いてきた。


「お二方、準備はよろしいでしょうか?」

「大丈夫だ」

「大丈夫です」


 審判の確認に問題ないと返す。

 それを聞いた審判によって試合開始が告げられた。


「開始!」


 合図と同時に鋭い踏み込みで私の目の前まで、瞬時に間合いを詰めてきたロック。

 既にその手には、剣が両手で握られており脇構え?からの下から掬い上げる様に斬り上げを仕掛けてきた。


「ハア!」

「おっと」


 鋭い一撃。

 スピードも申し分なく後ワンテンポ避けるのが遅ければ、喰らっていただろう。

 避けると同時に、私はバックステップで後方に移動して距離を取ろうとする。


「させるか!」

「だよねぇ」


 しかし、私の移動に合わせてロックも移動して間合いを離させてはくれず常に間合いを詰めながら怒涛の剣撃を放ってくる。


「どうした!回避ばかりせずに自慢の連撃をしてみろ!」

「そう言われましても」


 どうにも、先の試合でラッシュに連撃をして勝ったせいか私は拳闘士と思われているらしい。

 吸血鬼の身体能力や前世の護身術の経験から近接も普通にしてるが、あくまでも私は魔法使い。

 別に近接戦はメインではない。


 とはいえなぁ。

 魔法使ったら簡単に対処出来ちゃうし。


 私は、ヒョイヒョイ避けたり耳飾り、部分強化で防御力を高めた右手で受け流したりしながら試合をどう進めるか考えた。


 できれば、フェリや戦闘組の剣士連中に参考にしてほしいからなぁ。

 ん~~~あ、そうだ。


 私は、ロックの振り下ろしを右手で受け流す様に横へ弾くと軽く後方へとジャンプ。


「皆、あのロックの剣技を良く見とくんだよ。特に剣士組は参考になるから見逃さない様に」


 私は、ラッシュの時と同じ様にクラスメイト達の近くまで戦闘しながら移動するとそう伝えた。


「「「「「はい!」」」」」


 良い返事が聞こえたのを確認した私は、自身に向けて迫るロックの剣に対して。


『ガキイイィィィン!!』

「なっ!?」

「フフ、残念」


 収納からミスリルの剣を取り出して受け止めた。


「どこから。まさか、収納!?いや、そんな事より、貴様、拳闘士のくせに剣士の俺を相手に剣で相手するつもりか!俺を舐めてるのか!!」

「別にそんなつもりじゃないけど」


 そもそも、拳闘士でも剣士でもない。

 本職?は魔法使いなのだから。


「そうか、なら良い。調子に乗ったまま俺に負けると良い。俺は、たとえ女だろうと手加減等しない。負けてから後悔するんだな!!」


 そう言うと、ロックは私に対して先の数段速い剣撃を放ってきた。

 怒涛の剣撃。

 私は、その剣撃に四苦八苦しながら防戦一方。


「くっ!ハア!!」

「ふむふむ」


 等は無く比較的余裕を持って剣撃を防いでいた。

 何で、防げているのかだが。


 ザクトの猛攻の方がもうちょい速かったし進化して動態視力も身体能力も上がったから結構楽に防げるや。


 まぁ、こういう理由だ。


「どういう事だ!貴様は、拳闘士じゃなかったのか!!」


 剣士と思ってなかった相手によって自身の攻撃を防がれる。

 その事にロックは、喚く様に私に対して問い質してきた。


「別に私は一言も拳闘士何て言ってないじゃん」

「だったら、貴様は剣士なのか」

「さあ?そんな事より攻撃は終わり?なら、次は私の番ね。ハア!!」


 私は、押し合いしていたロックの剣を弾くと攻撃を仕掛ける。

 袈裟斬り、斬り払い、斬り上げ、斬り下ろし等々かなり強めに連続で攻撃していく。


「くっ!?うおおお!!!」


 しかし、ロックはそれを自身の剣で全て防ぎきってみせた。

 かなり強めに攻撃していたので当然攻撃速度も速い。

 なんなら、以前のザクトから受けた猛攻に近いパワーとスピードで攻撃していた。

 なので、防ぎきれた事にロックの剣技に対して素直に凄いと感じた。


「負けてたまるか!オラア!!」


 内心で称賛してると攻撃の止んだのを機にロックが、私に反撃をしてくる。

 ロックによる剣の振り下ろし。

 先までなら、スピードのある鋭い一撃であった。

 しかし、私の猛攻を剣で防ぎきった事で腕に負担がかかった為か見るからに剣撃の鋭さが落ちていた。

 私は、その振り下ろしを耳飾りと部分強化でちょい強めに左手を強化して掴み取る。


「バカな!?」

「ナマクラが!」


 そう言って私は、左手の握る力を強めて剣をへし折ると右手のミスリルの剣を投げ捨てロックへと右拳のアッパーを放つ。

 が、すんでの所で後方へとジャンプして避けられてしまった。


「ハァハァ」


 かろうじて回避出来た事に安堵したロック。

 しかし、安堵するのはまだ早かった。


「ッ!?」

「ハアア!!」


 距離を取っていた筈なのに、気付いたら自身との間合いを詰められており目の前まで迫っているアカリの右拳。


「ごばあ"ぁ"ぁ"!!」


 回避等間に合うはずもなくアカリの右拳はロックの頬にめり込み殴り飛ばされるのだった。


「ロックさん、ロックさん!ロックさん!」


 ステージ外まで吹き飛んだロックに駆け寄り意識の有無を確認する審判。


「駄目だ意識がない」


 しかし、ロックは意識を失っている様で審判の呼び掛けに反応を返す事はなかった。

 つまりは、ロックの戦闘続行不能。


「試合続行不可能。よって勝者、アカリ!」


 審判の勝利宣言。


「いえ~~い!ブイ!」


 二試合目も私は、余裕で勝利を納めるのだった。



 ~~~~~~~~~~


 ※武器の希少度表記をコモン→アンコモン→レア→エピック→レジェンドといった感じに変更しました。

 なので、過去の話の武器の希少度が修正されてます。

 まぁ、あまり本文に影響はないので気にしなくても良いんですけど。


 それと、今回書いた冒険者のステータスを後程変更するかもしれません。


 以上

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