岐路
春嵐
α
彼と帰る。普通の道。夕暮れ。
特に、話とかはしない。そこまで仲良くない。彼の好みも、趣味さえも知らない。それでも、なんとかくいさがって、ふたりで帰ってる。
分岐点。彼が左で、私は右。ここまでの道のり。なるべく長く続いてほしいという思いと、何も切り出せないわずかな動揺が終わるという解放感。ふたつが混じって、ちょっとだけ、わらえてくる。
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