ワンソード

九楽

はじまり

第1話


眠い。

朝から眠い。

そんな僕の隣には、うるさいやつがいた。


「起きろー」


「眠いから先に行ってろよ」


僕は、布団を深くかぶった。


なんだ……なにか変な音がする。


「ファイヤーボールあんどウォーターボール」


「だから眠いから先にいっ熱っ冷っ」


お前は、馬鹿かと言いたくなる。

僕のベットとパジャマは、焦げてびしょびしょだ。


「起きましたよ。起きればいいんだろ」


彼女は、長い黒髪を揺らしながらこう言った。


「そう。起きればいいの」


「最悪の目覚めをありがとう」


「どういたしまして」


本当に最悪だ。

変な夢は見るし、今日は……


「今日は何の日だか知ってるの?」


「知ってるよ。我らが記念すべき日になる予定だろ。君は合格。僕は不合格」


僕は、びしょびしょのベットから立ち上がった。

改めて自分の姿をみると、この年でおねしょをしたみたいだった。

恥ずかしいな……まあ誰も見てないから大丈夫か? といった心配をしているうちに彼女はすたすたと1階に降りて行った。

もう一度寝ようかと思ったが、さすがにこの布団では寝れないかと思いベランダに布団をほして1階へと早々と降りて行った。

ベランダに干す際に、近所のおばさんに見られたのは人生で最大のミスの一つとなった。



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