REBELLION(リベリオン)

ジャムポテト

第1話 プロローグ:大壊獣時代

――――2030年6月。これまでの常識は破壊された。

当時。まだソレの存在が認知すらされていなかった時代。突如として東京湾を割り、現れた謎の生命体に対し、人々は余りにも無知であった。全身を鱗に覆われた、ゆうに全長50Mを超える2足歩行の「ソレ」は国会議事堂を破壊し、スカイツリーを破壊し、関東全域に進撃を開始した。現れてからものの2時間で、東京の総人口は4分の3になったとまで言われている。初めて「ソレ」が姿を現してから約2日後、ようやく重い腰を上げた日本軍は、アメリカ軍と共同して総攻撃を開始した。それから程なくして、首都東京は文字通り火の海と化した。関東地方の総人口が半分を割ろうかとしたその時、ようやくソレは大きな体を大地に横たわらせた。有史以来、恐らく初めてであろうこの事態に、日本は首都機能を東京から大阪に移動させ、アメリカの研究団と共同でソレの死体を調査することとした。それから約3ヵ月後、世界中を震撼させたソレは「壊獣サラマンダ」と名付けられ、サラマンダが持つDNA情報はこの地球上のどれとも一致しないとの声明が公式に発表された。更に調査を進めた調査団は、サラマンダが現れたあの日、その海底で一際大きな熱反応が起こっていたことを突き止めた。そしてそれはサラマンダが現れた日を境に一度沈静化し、時の経過を経て新たに、当時に迫る熱反応を観測しようとしていた。この事態を重く見た日本政府はまだ見ぬ壊獣の脅威に対抗するため、世界各国に数年前現れた壊獣サラマンダのデータを共有し、対壊獣人型決戦兵器「リベリオン」制作への協力を要請した。各国の総力を挙げ、わずか半年足らずでリベリオンは完成の日を迎えた。全長55M、外側を固い装甲に覆われた「リベリオンprt」は、まもなくして同じく東京湾から現れた48M級の壊獣(後に壊獣シザーラゴンと命名)を打ち破ることに成功した。しかしリベリオンに搭乗していたパイロットは戦いの後、脳に重大な後遺症が残り、そして発狂し廃人と化してしまった。当初の計画ではコックピットに乗り込んだパイロットの脳波を読み取り、パイロットの脳内イメージ通りの動きを自在とするはずだった。しかしその代償としてパイロットがリベリオンを操縦する際に脳へかかる負荷は尋常ではなく、リベリオンを操縦することができるのは、強大な精神力を持った「意志力」が強い一握りの人間に限られることとなった。国家はリベリオンのパイロットを集めることを目下の最優先事項とし、全国で適正テストが行われた。そして厳しい適正検査に合格したパイロット第一期生達はリベリオンに搭乗し、それぞれの目的、野望、夢、復讐の為に果てなき闘いへと身を投じていくこととなる。

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