第13話
俺たちは道中イロイロあったが、どうにか魔王城まで辿り着くことが出来た。
「ちょっと、私の活躍を話してくれていいんじゃないの!!」
「何故お前は俺のナレーションにツッコミを入れることが出来てるんだよ、そして、お前は対して活躍してなかっただろうが」
「なっ……、そう言えばそうだったかな、ハハハハ……」
「はあ、そんなに晒して欲しいのなら、晒してやるよ」
まずは、草原でジャイアントフロッグとの戦いの際に、
「素手で倒せるから、見てて!!」
と言っていながらも、肉質が柔すぎて衝撃を全て吸収されて、舌で顔を打たれる。
ちなみに、ジャイアントフロッグは、俺が倒した。
山中を歩いていると、謎の触手生物に遭遇。
「何これ、くねくねしてて面白〜い」
と言いながら突いていたところを、触手生物によって捕まる。
この時も、俺が触手生物を切り刻み、倒した。
そしてつい先程、スライムとの攻防の際には、
「きゃあぁぁぁぁぁぁあ!!」
スライムの酸性の粘液が身体に着き、装備を溶かされていた。
前もって俺はサヤカの装備一式を複製していたため、それに着替えた。
あれ、俺、めちゃくちゃ活躍してね?
「何サラッと晒してくれちゃってるわけ!!」
「いや、振り返ると俺がめちゃ活躍してる事に気が付いたわ」
「確かにそうね、でも、アンタ主人公でしょ?そのくらい活や……、何よ、その目は何なのよ!!」
「お前って、実はめちゃくちゃ足引っ張ってるんじゃないかなって思ってるんだけど?」
「なっ……、私は、魔王との対決で役に立つの!!」
「とか言って、どうせ最後は俺が倒すことになったりするなよ!!」
「それ、アンタ死亡フラグだから」
「すまない、俺は死なない。神だから」
「アンタって、本当にいい性格してる……」
「初めて言われるな、性格がいいってことは!!」
「訂正するわ、アンタの性格なんて、最悪すぎるわよ!!」
「あの〜、そろそろ玉座の間着きますよ〜、お二人さん」
「あ、すまない桜」
「ごめんね桜ちゃん」
「私に対して謝罪する意思があるなら、2話に渡ってイチャイチャするの辞めて貰えます?」
「あ、ああ……」
「……別にイチャイチャしてた訳じゃ……」
「何か言いましたか?いえ、何か言い残すことはありますか?」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!!なんでもありません!!」
俺は咄嗟の判断で土下座をしていた。
いやいや、笑顔だけど、笑顔だけど!!
……瞳の奥が笑ってないのよ、殺意の炎を纏ってる感じがしてるんですよ、桜さん。
サヤカに至っては、既に涙が溢れそうなくらい目をうるうるさせていやがる。
「そうですね、私も鬼じゃありませんし、魔王戦はバフフィールドなしということで手を打ちましょうか」
「そんな、私死ぬ確率上が……」
「何か問題でも?」
桜が笑顔で拳を構える。
「いえ、何でもありません……」
やはり、うちの神器を怒らせると怖いことを理解した。
第13話 桜さんごめんなさい!!
ー[完]ー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます