スタレガミ斑

 ひよひよと多分詠う濃藍に目隠された

 小煩いめんどりの斑の襞を撫でるように捲ると

 影の中でしか生きれない 心無い人形だった、

 それは醜悪な星々が限りなく馨しい香りを擬態して

 

 かたや炎の如く熱く揺らめく影狼でしかない

 繰り返し蠢いている視界を遺して

 湾曲して一蹴することは

 羞恥心に勝てない鏡模様の白熱球が天井から

 倦怠感だけを覗かせている

 

 空想を交える歌姫の黒を帯びた髪を手にかける容易さと

 愛撫は一重のようでいて厚かましい心臓、

 それで餌につられて集った子供らの瞳を見たのかい、

 あれはヨイモノだ。

 ワタシの童たちか、出くわした餓鬼どもか 

 

 ぴんと張る静寂すら、わからないのかい 

 ああ、嫌だ嫌だ 

 その灰の耳、泥を掻き出して見なさいな。

 

 グラマーなガマガエルをメスカマキリに向かわせ

 オート三輪車でつぶれた、連なる山疚しい閑古鳥はなく

 舞台上の床が撓んでは軋む、いびつなほど愉快なもの

 夕暮れ時の衣擦れの徘徊を、やはり、産み堕として

 ごったかえす輪唱が喝采を浴びている

 

 そこんとこチョイと捻って その瞳で啜ってみるがいい、

 ありゃ少しは強くなったろうか、

 鬣を削いで着崩した獅子かいな

 今更、ようは知らんが

 よほど袖は透らないが袂は膨れているのではないかねえ

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