繋がる

鼓膜騒音

溢れる

ハムスターを2匹飼うことにした。

カゴに入っている沢山の彼らを好みで2匹選び店員に渡す。

死ぬまで面倒を見て、放棄しないように同意書を書いた。

まだ大人になりきってない2匹を連れ帰り、用意したケージに一緒に入れ、過ごしやすいようウッドチップや新聞紙などの巣材を入れる。



来てすぐの2匹は寄り添い巣の中から出てこない。

慣れない環境に戸惑っているのだろう。

しばらく経つと各々好きなように動き回り、巣材を使用し寝床を作り上げた。

今では回し車を回し、人間の気配がすれば巣から出てくるまでには環境に慣れ親しんでいる。



2月ほど経過した頃、日々回し車を煩く回していた2匹は急におとなしくなる。

巣から出てこないのだ、ケージを除いても巣の中の様子は見えない。

死んでしまったのかもしれない。

そう思い、好物のひまわりの種を巣の周りに撒き出てくるのを待った。



しばらく待つと、巣の一部が盛り上がり、ハムスターが出てくる様子があった。

出てくるところを確認しようと見ていると、中からは知らないものが溢れでた。

虫かと思い驚いたが、違う。

ピンク色のグミのようなもの、動いている。

子どもを産んでいた。



当初2匹とも同じケースに入れられて売られていたので性別も同じだと思っていた。

体格も2匹とも変わらなかったが、つがいであったらしい。



刺激すると子食いをしてしまうので自然に出てくるまでそっとしておいた。



一週間後くらいであったろうか、子どもは自力で地を這うようになり6匹いることが確認できた。



ケージの中では7匹のハムスターが寄り添っている。

おそらくオスであったのだろう1匹のハムスターは子どもを育てるメスに近づかないようになったので、別のケージに移した。



また二週間ほど経った頃であろうか、また子どもが産まれていた。

今度はこの前生まれたこの前産まれた子どもが子どもを産んだのだ。



知らない間に大人として成熟していた。


中には育て上げられず弱って死んでしまった者もいたが、一つのケージの中には12匹のハムスターがいる。



全ての子どもが自力で餌を食べられるようになり、1匹ずつ里子に出した。



二つのケージの中には1匹ずつのハムスターがいる。

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