3話 エメラルドアイ
[宮城視点]
好意を寄せている人に放課後、屋上に来るように言われた。気を引き締めないとにやけてしまう。
こんなに嬉しいことがあるだろうか。彼を好きになってしまったのは、自分の単純な性格のせいだろう。
これは、彼を好きになってしまった馴れ初めの話だ。
彼と会ったのは、入試の日だった。
この学校は日本のトップ校に属するレベルの学校だ。
隣の席の人を確認する。これは癖である。
小学生から受験を受けてきてこの人は受かる、受からないを判断してきた。
心の中でやっているので相手に失礼ではないはずだ。
横は男子だった。神木竜星。名前はかっこいいと思う。しかしそれだけしか思うことはない。
試験が始まる3分前に彼は来た。野暮ったい髪の毛に猫背、ダルそうな空気を纏う彼は苦手な部類に当てはまっていた。
この学校に記念受験をしにくるという概念を持っている神経の図太いやつという印象だった。
試験の結果が発表された日、私は特待生だった。でも、一位ではなかった。コンディションは最高、非の打ち所がないと思っていた。
自分より頭のいいやつがいることに落胆した。なぜ一位ではないとわかったというと、
特待生のランクがあり、S特待が一人、A特待が3人と設定されていた。私はA特待だった。
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