取り敢えず、私は貴方達が呼ぶ『えぬぴぃしー』という名前ではないです。

やさかなぎ

取り敢えずこれは、チュートリアルという名のキャラクター紹介。

取り敢えず、私は貴方達が呼ぶ『えぬぴぃしー』という名前ではないです。

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 新作のオンラインゲームが発売されたらしい。

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 最近、私が拠点としているこの街に人が増えた。


 いや、この場合は『増えた』よりも、『生えた』の方が適切なのかも知れない。


 何せ同じ装備を身に付けた彼、彼女等は一晩でこの街の道という道を埋め尽くしたのだ。そして時折、壁や地面に埋まっていたりする。


 宿を出てギルドまでの道程を歩くのも一苦労である。勘弁して欲しい。


「退いてくれないだろうか?」


 道を遮るように立っている六人組の男女に声をかけた。その内の一人が私の前に出てきた。そして、頭巾フードの中を覗きこんで来た。


「退いてくれないか?あと、下から頭巾フードの中を覗かないで欲しい。」


 そして、覗きこんで来た。全員で。


「………あの、その…やめて欲しいんだが」


 何が彼等を駆り立てるのか私や街の住人に群がり道を遮るのだ。そして時折、壁や地面に埋まっていたりする。


 これが1人、2人、ギリギリ3人までなら避け様もあるのだが、4人もしくは、それ以上となると力に頼った解決法方になってしまい憲兵達のお世話になってしまう。


「何度も言うが頭巾フードの中を覗こうとしないで欲しい。あと、外套コートの中を下から覗かないで欲しい。貴方達も憲兵の世話になりたくはないだろう?」


 言葉は、伝わっているのに会話が出来ない。一方通行である。もう全員、私が埋めてしまおうか。


「最後にもう一度言うが退いてくれ。それから、頭巾フードの中を覗こうとしないで欲しい。あと、外套コートの中を下から覗かないで欲しい。」


 というか、彼等は話を聞かない。一方通行である。頭が痛い。私は彼等を埋めることに決めた。というか、既に埋め終わっていた。


「私は警告したからな?私は悪くない。そうだろ?」


 一部始終を見ていた憲兵達に私は語りかけた。


 そして私は、彼等に連れて行かれた。


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 始まりの街には憲兵にお世話になる世界最強の半龍半魔の娘が居るらしい。

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