第18話 予期せぬレベルアップ



 俺もゴブリンを倒しながら4層へ向かう途中だった。


『魂強度が上昇しました』


 思わず立ち止まる。


 ちょっと諦めかけていた低層階でレベルが上がった。200匹くらいか?


 これでレベル18、SP4。顔が緩んでしまう。これくらいなら蜘蛛とスライムでそんなに遠くない時期に後レベル2はいける。


 よし、取ろう。戦闘スキル。



 4層で刀をアユミさんに渡し、スライムも狩っていく。



「3つ上がりました!」


「これでレベル8ですね。ボスもいるかな?」


 5層に下りる。


 いた。ボススライムだ。


「念のためちょっと戦ってみてください」


「はい!」


 刀を振りかざして突っ込んでいくアユミさんだがあっさりと触手に阻まれる。


魔法矢ボルト魔法矢ボルト魔法矢ボルト


 何度か触手を叩き切ったところで、危なくなる前に魔法矢ボルトで核の周りの体積を削り、アユミさんが核を突き刺しなんとか倒した。


「レベル上がりました?」


「上がりました!」


「じゃこれ着て下さい」


 5層から1層へのショートカットを通りながら、リュックの底からしわしわになってしまった黒パーカーと黒マスクを取り出し、着てもらった。


「怪しいけどさっきよりはましか。ちょっと目元も隠したいところですね」


 マツエクがとても余計な仕事をしていた。しかし自分も早く教会に行きたい。



 街に出てみる。先ほどよりは反応が薄い。何とか行けそうだ。


 足早に教会へ向かいお布施をし2人で合掌。


『あなたの魂強度は18です。職業技能はマニュアルオペレーションで選択してください。残りスキルポイントは4です』



 農民 - 持久力向上(必要1SP)

 武闘家 - 動体視力向上(必要2SP)

 シーフ - 敏捷向上

       身体制御向上 - (必要2SP)

       暗視向上 - (必要2SP)

 戦士 - 強撃(必要2SP)

 武士 - 迅動(必要2SP)

 回復士 - 小治癒

       小解毒

         中解毒 - (必要4SP)

         診断

           魔法薬作成 - (必要8SP)

       魔力向上

         中治癒 - (必要4SP)

         解呪 - (必要4SP)

 槍士 - 飛突(必要2SP)

 魔道士 - 魔法矢

       魔力向上

         魔法壁 - (必要4SP)

         2重発動 - (必要4SP)

       属性付加1 - (必要2SP)

 忍者 - 隠形(必要2SP)

 残りSP 4


「迅動でお願いします」


 武士 - 迅動

       精神力向上 - (必要2SP)

       飛斬 - (必要2SP)

 残りSP 2


 どんどん中途半端キャラビルドになっていく気がしないわけでもないが迅動の5秒間速度1.2倍は強スキルだと思う。精神力向上は感情の波を抑えてくれるもの、飛斬は槍の飛突と似たようなリーチが伸びる系だ。


「先生。マニュアルどうたらって言われたんですけど」


「シーフの敏捷向上で」


「はい。シーフの敏捷向上でお願いします!」



 これでトンボに勝てるだろうか。不安は拭えない。


「んー! 属性付加も火でお願いします」


 魔道士 - 魔法矢

       魔力向上

         魔法壁 - (必要4SP)

         2重発動 - (必要4SP)

       属性付加 火

         属性付加2 - (必要4SP)

         形状変換 - (必要4SP)

 残りSP 0


 SPを使い切ってしまった。火属性にしたのは何となくベーシックに火力がありそうで他属性を選んで地雷を踏みたくなかったからだ。そしてその予感は割と当たっていて、形状変換が形や状態を変えられるのだが、恐らく風や水だと形状変換がないと割と魔法矢が死にスキルになる。危なかった。



 その後は槍を新調し、アユミさんに剣と盾と革の服を買った。

 刀はなかったのでレイピアのような刺突剣だ。ブロードソードかな? そして盾も欲しがったのが不思議だったが、腕に括り付けるタイプのバックラーがちょっとよかったので同じものを自分用にも購入した。アユミさんもすっかり女戦士風になってしまった。魔法使いたいと言っていたはずなのに。


 革の服はこちらに人を連れてくる時に意外と重要なのが分かったので2着ほど余計に購入しておいた。


 すっかり夕方なので急いで迷宮から帰宅した。迷宮街の門限は厳しいのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る