第6話 攻撃魔法始めました
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やってきました。魔法矢の試し撃ち。
魔法矢は長いので
アクティブスキルはトリガーとなる発動キーワードで発動になるのだ。よく使うワードは適さない。
迷宮1層で蜘蛛を探す。
発見!
「
パンと乾いた音を残して頭部も胴体も弾け飛んだ。
「……強すぎないか?」
短めの鉛筆サイズの光が、身体能力の上がった今の目でも追い切れない弾速で飛んで弾けた。
ごくりと唾を飲み込んだ。
足が地につかない。
これ、日本でも使えるんだよな……。
2層へと下りる。
「ギャギャッ」
「
やはり頭がパンと割れ飛んだ。
爆発物を飛ばしているわけではないのは何となく見て分かった。内部から弾けているように見えることから物理的な威力はなくて、魔力的なものが連鎖的に弾けてダメージになっている……気がする。
これ、日本じゃ使えないかも。
試しに壁に撃ってみると、土埃をたてながらぼこりと直径5cmくらいの穴があいた。
「迷宮だと壁にも魔力はあるか……」
魔力消費は体感で
一度、1層に戻り5層経由で4層へ。
スライムを発見!
「
透明な体が一瞬で白く濁り、核が弾け飛ぶ。こちらも一撃だ。
猫ちゃんには距離によっては躱されるかもしれないが弾速、威力ともに文句なし。
いい手札を手に入れた。
「もう一つの魔力向上を取る手もありだな」
継戦能力が向上するし、魔道士スキルツリーの先も気になる。
「……ま、それも次の層を見てからだな」
日本の自宅に戻り、装備を外す。
薄暗い迷宮では射程距離の確認ができなかった。かといって日本で魔法をぶっ放せるところにもパッとは思い当たらない。
ついでにこっちでの魔法の効果を知っておきたい。
人けのない山か川か。
「川かなぁ」
30分ほど自転車をこげば一級河川と広い河原があった。堤防がサイクリングロードになっているが橋の下であれば目立たないはず。多分。
家を出る前にポストを覗くと名刺100枚が届いていた。そういえばと、スマホを確認すると昨日のアユミさんからメッセージが届いていた。
「昨日は助けてくれてありがとうございました。魔法でどこまで治せるんですか?肩凝りは治りますか?」と最早、ツボとかマッサージの欠片もない。魔法ってそんなに認知度高いものだっけ?
マッサージなら怪しくないと思い込んでいたのは俺だけなのだろうか。
アユミさんの謎の適応能力の高さに疑問を抱きつつも「肩凝りは魔法で治せませんがマッサージで緩和できます。二日酔いは治せます」と具体的なところはボカして返答した。
「血を吐いてたのが治ったら魔法だと思うか……思うか?」
腑には落ちないが、無駄に言い訳を考えなくて済んだと思おう。
しかし、肩凝り……本当に治せないのか?
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