ドSな上司は私の本命

水天使かくと

第1話 見つけた人はドSな上司

私はある会社企業の面接にきている。

余裕をもって1時間前には会社に着いていたんだけど…


なんで!面接の場所が…部屋が見つからない!


そう…私は極度の方向音痴なのだ!


どうしよう…

せっかくここまでこじつけたのにー!

えっと…3階の第2会議室…

たぶんこのへんなんだけどな…?


ないじゃん…

自分がどこにいるのかもわからない…

もう!完全に迷ったー!

はぁ…あと10分で面接が…もうだめだ…。


「おい、ここで何してる!」


憔悴しきっている私に男性が話しかけてきた。


「面接にきたんですが迷ってしまって…3階のこのあたりのはずなんですが…でももう間に合わないし…。」


私は泣きそうになりながらすがるように男性に言った…。


男性は面接用紙を確認した…。


「おいおい!これA棟の3階じゃないか!ここ…B棟の3階!」


「えーっ!そうなんですかー?A棟って?」


男性が窓の外を指さして…

「あっち…。」


窓の外には同じような棟がもう1つ…

しかも行くには大回りしてそこにたどり着かなくてはいけない…。

どう頑張っても間に合わない…。


「裏ルートならまだ間に合う!こい!」


と男性か私の手をひっぱって走る!


男性と私は関係者専用のエレベーターにのり1階におりそこからA棟の3階へ…。


ここだ!5分前…ギリギリ…間に合ったー!


「間に合ったな!面接がんばれよ!」


といって足早にさっていった。


私はありがとうございます!と心の中で何度もお礼を言っていた!


それから3年…


私は面接も受かり今…この会社にいる!

そしてこの部長の下で働いている…


そう!その部長こそ…あの時助けてくれた男性だ…。

もちろん部長は私のことなんて覚えてはいないはず…


私は入社後、なんとかその男性を探しだしこの部署の部長であることをつきとめ、ここに移動願いを出した…


その男性がドS上司とは知らずに…



「おい!何やってんだ…早く伝票もってこい!お前はさっさと営業まわりにいけ!なにもたもたしてる早くやれ!」


と部署フロア内で各社員に大声が飛び交っている。

もちろん私も小さなミスでしょっちゅう怒られている!


みんなは部長を怖いと恐れている。

なので他部署の人が移動したくない部署ランキング第1位がここ!


けれど、私にとっては今でも部長はヒーローのまま!

部長の下で働くことに幸せを感じている!


そんな私にある日…ピンチが訪れた…。




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