131話

ジョニーを唇を噛みしめ続きを話だした。


「俺は仲間を信じていた。信じて何もしなかった俺がバカだったんだがな。


俺達はいつものように魔物を討伐し帰ってくる日々。もちろん街の住民からは英雄扱い。そんな日々が続くと調子にのるメンバーが大半だ。そうなると好き勝手するメンガーが多くなってきた。そんなある日、Sランク冒険者の女を寝とったとして苦情を言われたのだ。メンバーはバツが悪そうにしていることで悟った。初めから嵌められていたことを。そうなると強者達は難癖をつけ街の住民も味方する。最後はこちらが非を認めいいように使われるようになった。この時俺は一つの盟約を結んでいた。仲間の冒険者のためならば従うと…。そうこうして月日が経ち、いつしか仲間はいいように使われ、無理な討伐を頼まれ魔獣によって死んでいった。これが俺達のパーティの話だ」


「ジョニーさんが何故一人でいるか、何故時折り寂しい顔をするのかわかった気がします」


「だからお前は俺見たいになるなよ。中央大陸にいる間はパーティでの魔獣討伐を課せられる。一人で行くならいいが、もし誰かを連れていくならパーティーメンバーは強者の条件は必須だが絶対に心が強い者にしろ。後、状態異常などを治せる治癒魔法師もいると役に立つだろう。俺からのアドバイスはこんなもんだ」


「なぜジョニーさんがここにいるか納得しました。本当に有り難うございます」


そして再度ベルトラン王が話だした。


「後は装備関連の話だな。一ヵ月以内の準備と課せられている代わりに王国は宝物庫から最低1つ最大で2つまでを与えることとなっている。褒賞で精霊の装備を与えるのと別に宝物庫から二つ程持っていくがよい」


「有り難うございます。でも何で数が決まっているんですか?」


「宝物庫にも数に限りがある。考えて見ろ、中央大陸に皆行って帰ってこない場合、他の大陸の宝物庫の良い武器は減っていくばかりだ。そうなるとSランクに上がった者に適切な武器が与えられなくなるだろう。もちろん献上などもあるから装備の質はその時々で変わるがな」


「なるほど、いろいろと仕組みができているのですね。ちなみにどうやって中央大陸に行くのですか?」


「満潮の日に一本の道が出来る。その道を特別な船で行くことで魔物に攻撃されずに中央大陸に行くことができる。逆に言えばその船以外では無事に辿り着くことが出来ないってことだがな」


「そんな船があるんですね」


「そう言えば他の大陸の話をしていなかったな。この東の大陸は全ての基準が普通とされている。他の大陸では魔法が優れた大陸、武力が優れた大陸、魔道具が優れた大陸と大陸ごとに個性が違う。この大陸は魔法、武力、魔道具が標準とされておるからSランク冒険者の割合も他の大陸と比べて少ないとされている。」


「知らないことだらけですね」


「まあ極秘だからな。後、馬車も王家の緊急で使われる特注の馬車を使われていくため、通常の馬車とは比べられない程の速さで港町に向かうぞ。」


「全てがビップ待遇なんですね」


「穢れが広がればこの星が無くなると言われておるからな。その穢れを称して邪の泉と呼ばれる程だ。どこの大陸も協力するしかないのだよ。それに、向こうの大陸が穢れを抑えてくれてるおかげで悠々とこの大陸を治めていられるのだから感謝もしておる」


「考え方次第で良くも悪くもなると…。」


「ただお前の人生はお前のものだ。好きに見て自由に帰ってこい。ただ死ぬことは許さんぞ…、エリーナが悲しむからな」


「ハハハッ。承知しました」


こうしてこの星の真実を聞き、転生した時に聞いていた情報と照らし合わせて考えこむのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る