異世界転生 ~条件付きスキル・スキル吸収を駆使し、冒険者から成り上がれ~

アスラン

閑話 ソフィアの真実

アスランとソフィアが出会って数週間後。


ソフィアがアスランに確認してきた。

「ねぇ、アスラン?」


「なんだい?」


「ここって誰もいないかしら?」


アスランは質問の意味が分かったのか、周りの気配に探った。

「みんなは買い物にでてるから、誰も近くにはいないかな」


「そう」


ソフィアは一言だけ述べると暗い表情をしたまま黙りこんだ。


「どうした?何か言いたいことでもあったんじゃないの?」


「ねぇ、アスランって鑑定スキルをもってるって言ってたわよね?」


「そうだね。鑑定スキルはもってるよ」


「なら、役に立たない私のもう一つの固有スキルも知ってる?」


「役に立たないかは置いといて、つい癖で確認したことはあるから知ってるよ」


「そう。やはり知っているのね」


そう言うとソフィアはアスランをチラチラと見てくる。


アスランはソフィアが何か言うまで待っている。


「ねぇ、子供見たいなスキルって言わないの?」


「俺のスキルは神様に選ばせてもらったけど、転生者に関しては才能や夢・憧れなど強い意志によって選ばれることが多いって聞いたけど…」


「そうよ、日本にいたころはずっとアイドルになることに憧れていたのよ…、悪い?」


「中学生で亡くなったって言ってたし、それくらいの年齢なら普通じゃないの」


「でも、固有スキルが歌姫(アイドル)って…、スキル内容を昔鑑定してもらったけど結果は歌声に酔いしれるって以外何も解らないって言われたし…。」


アスランはその言葉に驚いている。


何故ならアスランにはそれ以外の内容がはっきりと見えているからだ。


アスランはしばらく考えた後、ソフィアに伝えた。

「たぶんだけどそのスキルを鑑定できるのは俺だけじゃないかな」


「え、どう言うこと?」


「アイドルって内容を知ってないと鑑定できないみたいだよ。隠しスキル見たいな感じだと思う。歌姫だけの効果は歌に酔いしれる、曲調に合わせて効果が倍増するって書いてあるだけだし」


「え、え?じゃあ、他にも効果があるの?」


アスランはゆっくりと頷いた。


ソフィアはアスランの肩をゆらしながら聞いてくる。

「教えて。ねぇ、何て書いてあるの?」


「わ、わかった教えるから、肩を揺さぶらないで」


ソフィアは顔を赤くしながら手を離した。


「想いの意思を歌に込めた時、その歌声はその意思の効果を発揮する。また光輝く時効果は倍増する。多くの人に想いが伝わった時思い描いたサウンドが鳴り響くって書いてあるよ」


「そ、そう。この世界で歌で生きていこうと考えたら役に立ちそうだけど、それ以外はやはり優れたスキルじゃないのね」


アスランは目を見開いた後、可哀想な目でソフィアを見た。


「なんて顔してるのよ…、何か言いたいなら言ってよ」


「これは検証しないと解らないけど、かなり優れたスキルだと思うけど」


「な、なんでよ?」


「想いの意思を込めた時に効果が発揮するってことは、たとえば怪我してる人に早く治ってと想いながら意思を込めて歌ったら傷を癒すことができるってことだよ。バフとデバフ効果を全てかけれる可能性があるってことだよ。かなり凄いスキルだと思うんだけど」


ソフィアは唖然としてアスランを見つめる。


「そんなに見つめられると照れるんだけど」


「ち、違うわよ。よくも一瞬でそんなこと考えれると感心していたのよ」


アスランは以前鑑定した時からいろんな可能性を考えていたことは黙っていることにした。


その後二人はスキルのこと日本のこと音楽のことなど様々なことを語り合っていた。




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