どくさい
バブみ道日丿宮組
お題:とてつもない独裁者 制限時間:15分
どくさい
「えっとそのなんでしょうか?」
「話しかけてきたのはそっちが先だよね? わたしが答える必要ある?」
「うーん、特に理由はないんだけどさ、いつも怒ってるよね」
「怒ってないわ。ただつまらないだけだから」
「ふーん、人を使うのってそんなにつまらないことなのか。ぼくはしたことないからわからないけど、そうなのかー」
「あなたバカにしてるの? わたしが命令したいからしてるわけじゃないの。学級委員長。あなたは副委員長よね? 一緒にしてるじゃない」
「でもさでもさ、ぼくよりも君のほうが頼られてるしさ。あとぼくに聞いてくるクラスメイトもいないし役職いらないよね」
「それはあなたがただたんに頼りにされてないだけじゃないかしら? もっと多くのことをやれば人は必ずついてくるわよ」
「そうだといいけどね、そうなったらめんどくさいからいいけど」
「ほら、そういう態度が見えてるからこないのよ」
「うーん? そういうならつまらなそうにしてるのにどうして君に人が集まるの?」
「さぁ? 聞いたことないからわからないわ」
「今度聞いてみようよ。独裁されてる気分はどうなのかってさ」
「えっ? ひょっとしてまわりからそんなふうにわたしは見えてるの?」
「そうだね。あれよこれよと指示出しが鋭くて、間違えると睨まれて同じことを間違えないように徹底的に繰り返す。あれが黒い指導じゃないっていうのはないかな」
「そ、そう……。ちょっと意外だわ。みんなできるようになりたいものだって考えてたからーー」
「考えがすぐ行動にできる。そこはいいことじゃないかな。ただ異様に見えることがあるだけで」
「異様に見えることが異常じゃない。はぁ……少しやり方を変えてみるわ」
「そんなすぐに変えれるものなの?」
「そうね、一番はやいのはあなたを持ち上げてわたしの位置を低くすることだわ」
「うわぁめんどくさいのはかんべんしてほしいな」
「あなたが怒ってるって聞いたのが運の尽きよ。わたしの補佐でもあるのだから、面倒も半分持ってもらうわ」
「半分以上傾く気がするけどな」
「なれればすぐ片付くわ。その程度のことしか日常にないの」
「だからつまらないって?」
「そう」
「まぁつまらなそうな顔してる人の顔を変えるのは面白いそうかな」
「期待できる返事で嬉しいわ」
「うん、やっぱりそっちの笑ってる顔のがいいよ」
「そ、そう」
「うん。独裁者だって感情はなくしちゃいけない」
どくさい バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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