しょうせつとげんじつ
バブみ道日丿宮組
お題:俺の小説 制限時間:15分
しょうせつとげんじつ
文字を見るのに最適な時がある。
それは朝。
脳がはっきりしないときに、頭を働かすからだという説はあるが根拠はない。集中できてしまえば、いつでも意味はある。
30分置きに九九をするとか、次に見える鳥を予想するとかそんな些細なことも脳にとっては覚醒を与えるきっかけとなる。
そういう繋がりが文章になり、やがて本になる。一般的には物語というか人生がまさにそのような方向で動く。まぁ小説のような、映画のような展開がリアルに起こることはほとんどない。
殺人事件や、強盗事件、ギャンブルの大博打。
すべてが空想だ。
実際にやるのは頭がおかしいと俺は考える。
やるのは人として歪んでる。いや……歪ませた世界がもしかすると悪いのかも知れない。
俺も人のことはやってることからすると強くはいえない。
好きな人、嫌いな人を小説の中で弄り通す。しかも世に発表さえもしてる。俺がその筆者だとは学校の奴らは気づいてない。
作品の噂話は時折聞くことはあるが誰というのは考えてないようだ。自分が似てるからといって、自分がその作品の登場キャラクターというのはあまりにも恥ずかしいものだ。
イケメンだけに許される、美人、可愛いという女子にも許される行為だ。
俺が登場させてる知り合いはそういう部類におそらく入る。
だからこそ、仲がよいほど情報が入る。新鮮な出来事という物語のパーツが次々に耳から脳へと刺激してくる。
「ふふん」
今回の作品の感想も上場。現実味にあふれる作風だからこそか、リアルが辛いというコメントもある。俺だってこんな世界に住みたいものだ。そういう生活してる奴はそうは思わないみたいだが……。
選ばれし者だけが進むこの世界。選ばれなかった者は何をすればいいのか。ただ消費するだけの生活はあまりにも無意味で無価値で、いないほうがましと思うくらいだ。
そういうこともあってか、こうであればという作品でもある。
今度書籍化も決定した。
これは俺も選ばれし者といえるのだろうか。幸せ……とは思えない。他人の様子をイメージしたものでそう感じていいのだろうか。
「はぁ……」
もうちょっとだけ、彼に近づければ楽しくなれるかな。恋なんて空想だとよくわかるのに現実はよくわからない。
可愛いと言われることもあるけど、それはいらない。欲しいのは彼の感情。彼の心が俺は欲しい。ずっとずっと一緒にいられるそんな世界を……これから手に入れられるだろうか。
お金……そうお金があれば……わからないけど、なんとかなるかもしれない。
そのためにも……。
しょうせつとげんじつ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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