みち

バブみ道日丿宮組

お題:今日の門 制限時間:15分

みち

 待ち人来る。

 今日の占いはそんな結果だった。

 当たったことなんてもちろんないから、今日待ち人は来ない。

 そもそも何を待ってるのかもわからない。

 占いはわからない私を導く一つの手段。

 もっとお姉ちゃんみたいにピタリと当たる力を持ってれば良かったのだけど、ないものねだりはいけない。


 自分ができることを自分でしなさい。


 お姉ちゃんの口癖だった。

 私はその言葉を聞くとどうしても違うなって考えてしまう。

 だってお姉ちゃんの行動は占いという因果が結んだ結果が現れてる。だから、成功しないことなんてない。人助け、防災、ギャンブル。なんでもできてしまう。

 できない私からみれば、できることができないとしかいえない。

 私の身の回りはお姉ちゃんが開いた門へ続く道が出来上がってる。あるき続けてそのまま門の先へ行けば間違いなく成功する。お兄ちゃんたちがその証拠。無償で道を示してくれたのだから、本来であればそうすべき。それはわかってる。わかってるのだけど、腑に落ちない。

「……行ってみようかな」

 お姉ちゃんに占ってもらった時から考えてたこと。それは行かないほうがいいと言ってた場所。当然良くないことが起こる。怪我をするかもしれないし、死ぬかもしれない。

 けれど、それは私が選んだ道だ。

 成功する道を選ばないという愚かな選択肢だけど、考えて選びぬいた結果堕ちてしまうのならそれもまた乙なものと呼べるに違いない。

「よし……」

 行くための準備は実のところ終わってる。

 前々から行く気だったということもあるのだけど、お姉ちゃんに何かあった時に使ってと用意されたものでもある。

「……」

 もしもの時を考えて、結局お姉ちゃんに頼ってしまうのはすごく弱い。

 でも……でも、行く場所は自分で決めた。

 そこでなにをするかまでは私ができることをやる。お姉ちゃんが用意してくれた探検用具は使われなきゃただの道具。使わなきゃお姉ちゃんの占いに当てはまらない。


 そうして、私はお姉ちゃんが作り上げた道を外れた。


 けれど、それもまたお姉ちゃんが別に用意したものだとは考えもしなかった。

 だって、まさに待ち人が現れてしまったのだから……。

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みち バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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