えええええええい

バブみ道日丿宮組

お題:遅い映画館 制限時間:15分

えええええええい

 開店するショッピングセンターの中に映画館ができるそうだ。

 少し電車に乗って移動しなければ見ることが出来なかったので、ボクも含めて住民からかなりの協賛を得られたようだ。

 ついでにオープニングスタッフを募集とのことで落ちることを念頭に置きながら応募。結果は見事に面接にこぎつけた。

 面接場所は映画館ではなく、その映画館を運営してる会社の会議室だった。中には数人既に入室しており、若い子から年取った人と異様な光景だった。

 けれど、それは面接官が入室し面接をはじめたときには納得してしまった。

 ボクが応募したのは映写の仕事。ここだけ書いたら予測はできると思うけれど、飲食業など店内スタッフも一緒に面接をしてたんだ。

 だからこそ、質問内容が同じにも関わらずなにか場違い感がひどかった。

 機械を触ったことがあるか、パソコン操作はできるか、接客業はしたことがあるかなどなど。

 ボクは映画などほとんど見ることがなかったので好きな映画と言われて少し戸惑ったが、前の人がいってた作品の知ってるものを無難に答えた。

 映画館で働く上で映画好きである必要はおそらくない。


 そしてボクは面接に受かった。

 学生の身分のため、土日祝を受け持つことになったがオープニングスタッフということで数グループにわかれて挨拶の仕方や緊急対応時の仕事を教わった。

 開店までまだ先であるからこそ映画館のメインである映写の仕事はだいぶあとになってからだった。なんでも機材がまだ到着しておらず、一部の映写機が動かすこともできないため危険なのだという。

 未完成の映写機が危険なのかはわからないが、仕事を覚えることも出来ないとはね。

 遅れてることもあって、映写で通った人の教育は中止となった。機材が搬入されて準備万端になったら、また集合をかける。そんなことをマネージャーに言われた。

 が、そんな日はいつまで待ってもやってこなかった。

 できるはずだった映画館は、機材を運んでもすぐに壊れてしまうという不可思議なことが起こり続けて映写機を準備できなかったのだ。


 数日、数週間が経過し、映画館を営業しないことに決まったことが通達され、ボクはまたアルバイトを探す苦行をはじめたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

えええええええい バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る