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  • 十三月の鯨 (Raw-Water) への応援コメント

    はじめまして。
    こちらの詩を読み、言葉の選び方やリズムに共感を覚えまして、応援コメントを寄せさせて頂きました。

    この十三月の鯨も、これだけ「さん・ご」のバリエーションがあって、それでいてそれぞれがバラバラにならずに詩のイメージを構築している計算高い緻密さと、強い感情の発露である詩の内容の対比の明瞭さが、とても綺麗だと思いました。

    ここだけちょっと読めなかったのですが、サトウキビだけ繰り返されるのは何か意図があってのことでしょうか。

    町田町蔵の世界を彷彿させるような、力強さのある表現かと思います。素敵な詩を読ませていただき、ありがとうございました!

    作者からの返信


     こんばんは〜。寝る前でしたが嬉しいコメントを頂いたので返信いたします。

     まず現在カクヨム上に公開しているあのシリーズは、 Parvāne という私のヒップホッププロジェクトの歌詞を転載するためのリリック帖です。『十三月の鯨』も例外ではなく、紹介文にある公式サイトから楽曲へのリンクへ飛べますので、ぜひ聴いてみてください。

     この曲は3・5・8・13、フィボナッチ数列の日本語音になぞらえた語を選んで使っていますが、実は楽曲内のリズムの構造もそうなっています(具体的には、3連符と5連符とさらに普通の8分音符が同時進行するポリリズムの箇所がある)。13月というフレーズ自体は SEVENTEEN というK-POPグループに『十三月の舞』という素晴らしい名曲があり、そこから取りました。もちろんタイトルは『八月の鯨』という映画が元です。

     サトウキビについては、語彙が限界すぎて二回使う羽目になったのですが、これは作詞段階で沖縄のイメージが念頭にあり、やや安易な象徴として使ったものです。もちろん観光地的なイメージでなく、沖縄の人々が海辺で憩っていたら物見遊山らしき人々(それも何らかの宗教行事で集ったらしい)がどんちゃん騒ぎ、ゴミを捨てまくり、心の平穏とは程遠い。そのような濁世感を描写しようと試みたのが前半です。後半では全く別の情景(豪雨と氾濫と水死)になりますが。
     サトウキビの二回使用は私自身も未熟だったなと自覚しており、さらには「誤解」と「過誤」のように同じ字を含む熟語を続けて使っている(これは文字上の美を損ねるので、私は何らかの明確な意図があるとき以外は絶対にやりません)箇所もあり、あまり自己評価は高くなかったのですが、ご高評賜り汗顔の至りです。最初にも書きましたがここはただのリリック帖なので、ぜひ楽曲もあわせてお楽しみいただきたいと思います。

     それでは。

    試金