第5話

いっそ消えてやろうかと少し本気で思う。消えるとは文字通りの意味ではなくて私を知っている人が居ない場所に居たいという意味でだ。




 それは面白いかもしれない。うーんと少し考えてみる。自分がこれまでの人生で行ったことのない場所がいいな。年間行事で祭りがある所なんていいかもしれない。




私の知らない絶景を見られるかもしれない。でも、あれ?私旅できるほどのお金なんてないよね...




バイトかぁ。勝手な先入観だが嫌だな。




知らないことを無理にでも知らなくてはいけないことが嫌だし、私が知り得ない「責任」が伴う事に恐怖や、怯えを感じている。私は子供だ。




授業中はひたすら自分が行ってみたいと思う場所ばかりノートに書いていた。




その日が私にとっての分岐点だったと思う。




学校から一目散に家に帰って親のパソコン使って旅行先をポチポチ検索していたのが始まりだったと思う。




偶然、私にとっては人生のとても大切な出会いになって行くんだとは思いもよらなかったんだけどね。




あるブログを見つけた。初めは旅人の感想はどんなものかなと読んでみたくなったのだ。




何故だろう。これも未知との邂逅なのに興味が強かったからか受け入れるのは容易だった。








「余命二年日記」




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